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ラトビア

ラトビアのリガから、リトアニアのヴィリニュスに向かうバスに乗っている。

ラトビアでは、ラトビア国立美術館、The KGB Building、救世主生誕大聖堂、占領博物館に行った。
ラトビア国立美術館の"Top in formation"展のざっくばらんな姿勢がすごく好きだった。
展示が始まる前にまず、

「この美術館のシーンの裏側を誰でも見られるように、保管庫の壁は透明になっています」

作品然と設置された状態ではなくて、保管された物質としての状態から出会い始めるのは、新鮮だった。

初めの展示室では、

というタイトルと共に絵が並べられていて、えーーー! と思う。
10枚弱の絵が並べられているのだが、MOST EXPENSIVE WORKS という言葉を与えられてそれらを見るのと、言葉なしで見るのでは全然違ったよねぇきっと、と思いながら見た。
しかも初っ端の提示が〈値段〉というのが、そうか、でも作品を所蔵するってそういうことだよね、と思わされた。

そこから
MOST DRAMATIC EPISODES
MOST BEAUTIFUL JOURNEYS と続いていって、

モストビューティフルジャーニーズという言葉に、静かにぎゃーんとなった。
このラップトップの画面を見つめる女の人をそういう風に見た、その目も、美しいなぁと思った。
その提示は、でもここまでの展示を見てきた流れの上だったから、ここで私にこう効いた。
単発で、「この絵をそういう視点で捉える感性、どや!」と出されたらちょっとイラッとする。
個々の絵に内在しているものがあって、それに対する多様な見方があって、ということが十分開拓された後だから、ああどこかにこういう見方をした人がいたのだ、とささやかながら確かなことに感じられた。

FAVOURITE PASTIMESというコーナーでは、笑ってしまった。

これ("Marathon Ranner")の次に

これ("Drinkers")が来る。
これ↓もタイトルに吹いた。

WATERIEST WORKSというコーナーの設定の仕方が、一番好きだった。
その中にあった、"Castrato"という作品。

二つ目の展示室は小さくて天井も低い正方形みたいな部屋で、薄暗い中に小ぶりな彫刻が並んでいた。
小さな女の子が、彫刻一つずつに設置されている床のスイッチをパコパコ踏んでいて、それで各彫刻を照らす小さなスポットライトが点いたり消えたりする。

複数のライトを点けると、その影同士にも関係性が生まれるように配置されているのだった。
(上手く写真に撮れなかったけど、前かがみの女の子のおでこに、女の頭部の塑像の唇が触れるようになっていたりする。)

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というところで止まっていた下書きを発見したので公開した。
今は城崎にいます。

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