いきなり社畜

大学を卒業し、私は金融機関の営業として働くことになった。
全国展開している店舗だったため、私は自宅から通える店舗への配属となった。
初めは資格の取得を2か月。本社東京での研修1か月。いよいよ営業としてのスタート。飛び込み営業である。かなりの精神力が必要な仕事であった。
売っている商品も勿論金融商品であるから、専門的な勉強と日々のニュースのチェックが必須である。
朝5時に起きCNNを観て、日経新聞を読みながら出社、会議を終えたら早速ポスティングに飛び込み営業、帰社後食事をとりながら本日の情報記入し、ポスティングしたところを片っ端から電話してゆく。定時に帰れることはまずない。
以前の記事にも書いたように、私は主従関係というものに対して強く心惹かれる人間である。自分を雇ってくれた会社の為に、課長を昇進させるために、必死で働いた。そんな自分に酔いしれていた。
おかげで女性なのに営業成績は抜群で何度か社内表彰もしてもらえた。
するとどうだろう。男性営業マンからめっちゃ嫌われた。
憧れていた社内恋愛の線を潰してしまった。
ところが、当時の私は仕事が一番、つまり営業成績が存在価値だったので、そもそも自分より仕事ができない人間に男も女もあったもんじゃない。敵や、みんな敵や。的な発想になっていたので私の異性は上司のみだった。上司を栄転させること。それが自分の奉公だと思っていた。
その内土日も会社に内緒で営業に回るようになった。社交界に参加したり、お客様の紹介先へ出向いたりと。社畜ですね。
そしてきたるリーマンショック。巻き起こる裁判。何とか耐えたが、そのうち体がもたなくなった。営業という職種は上限がないのである。
仕事帰りの友人からのメール「結婚しました。」「子供ができました。」「いい話期待してるね。」に我知らずと涙が止まらなくて、私の幸せってなんだろね。自分なりに一生懸命生きてきたはずなのになぜこんなに苦しいのか。なぜ、周りに置いて行かれたような気分になるのか。
誰かに「頑張らなくていいよ。」と言ってほしい。そんな存在を見つけられない自分は本当にダメな人間だと思うようになり、さらっと退職をした。
そして暫くは有り余った預金を使って旅をしたりした。
26歳の時である。
#社畜
#社会人

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kaoriakiyama

日々悶々しております。
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