書店員時代

金融機関を退職し、ニート生活をまったりと楽しんだ後、私が見つけた職は本屋だった。たまたま中途採用の求人があり、スルッと入社した。
本屋と言っても、本・雑貨・ゲームやCD・レンタルが併設されている複合店で深夜も営業している所である。私はそこの書店部門での採用であった。
金融機関時代の給与の半分ほどの収入であったが、あまり気にすることもなかった。実家暮らしで実家には3万入れてあとは好きに使えるし、年中無休な職場であったため、友人と遊ぶということも少なくなった。
高いスーツを買う必要もないし、社交界のためのあれこれを準備することもない。そしてなにより見えないものを売る。ということがないのは精神的に楽になった。

しかし、精神的に楽になったが身体的には大変であった。
2交代の職場なので生活リズムは狂うし、パートさん、アルバイトさんの教育をしたり、急遽休まれたときはぶっ通しということも日常だった。
よくわからないクレームを処理したり、基本重労働の本屋なので体力勝負。休日は栄養ドリンクを買い出しに行き、あとはひたすら本を読み、寝るという日々をしばらく続けた。
しかし、本好きの私としては本があるだけで幸せの空間でもあったので楽しく働くことができた。

一つのことに夢中になるのは私の悪い癖で、丁度新店舗の立ち上げでそこの責任者になるというものあり、日々売り上げを考え、店舗のレイアウトやフェアをあれこれ模索などして殆どの時間を店舗で過ごしていた。そんな私に上司にまで結婚について心配されていたりもした。
それにしても楽しい職場である。あれこれ考え、閉店後棚を作り替え、新しく入った新刊を真っ先に目にできる嬉しさったらない。
あこがれの社内恋愛なんてものは存在せず、合コンもセッティングしてもらおうにも時間帯がまちまち。退社後、コンビニで弁当とビールを買って、家で溜め撮りしたドラマをみて一日がおわるという自分的にはルーティンが出来ていて心地よかったが、そこに異性が入る隙はなかった。
気付けば28歳。
もう、恋したいとかではないし、現段階で処女であるということはもう恥ずかしいことであり、自分でどうすべきかわからん状況であった。
かといって、連絡先の書いたメモを渡すお客さんに連絡する気にもなれず「ああ、私一生独身なんだなあ。」なんて考え始めていた。

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kaoriakiyama

日々悶々しております。
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