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UTMBサポート編【UTMB2019シリーズ】

〈いざ、UTMBのサポートへ〉

CCCサポート終了後、深夜1時頃、どうにか宿に戻った。
本当は少し仮眠をしたら早速クールマイユールに向かうはずだったのだが、
気力が、クールマイユールに向かえなかった。
疲労なのか、一度なにかが燃え尽きてしまったのか・・・
とにかく一度しっかり休息をとってから、
UTMBのエイド入りをさせてもらうことになった。

半日休息させてもらい、身も心もリフレッシュし、
気持ち新たに、UTMBのサポートに向かった。
私の担当は、U14 Trient / トリエン エイド。
トリエンエイドに常駐し、一般ランナーの速い人からテールエンダーまでをカバーする担当として、8/31(土)14時頃、トリエンエイドに入った。

と言ってもサポートする選手の到着は夜以降なので、
しばらくはトップ選手達を眺めていることとなる。
トップオブトップには間に合わなかったが、
奥宮さん・いいのさんらの通過を見ることができた。

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奥宮選手のサポートの様子

〈ネパール人 Ramさんとの出会い〉

エイドで、ネパール人の知り合い、Ram Puriさんに遭遇した。
もともとネパール人の知り合いなんているわけもなく(笑)
Ramさんとは昨年のUTMBで知り合った。
去年、シャモニーのフィニッシュ近くのレストランで食事をしていたら、
近くのテーブルにいたRamさんとなんとなく目が合い、
「あ、Youもレース出たの??」的なシャモニーならではの雑談で始まった仲である(笑)
Ramさんは去年TDSを完走しているが、Ramさんはただのネパール人ではなく、ネパールで大会をオーガナイズしたり、トップ選手のサポートなどをする会社を営んでいる方でした。
Ramさんいわく、ネパールの方にとってUTMBは物足りなく、
TDSもso soというような感想でした。おそるべし山力。
そんなRamさんと草むらに寝そべりながら、
太陽の下でしばらく雑談した。
何を話したのかあまり思い出せないが・・・(笑)
Ramさんといた時にちょうど、サンゲシェルパ / Sange Sherpa選手がエイドに到着!信越五岳トレイルランニングレースでおなじみのシェルパ選手。
わたしが最初に認識したトレイルの海外エリートランナーはシェルパ選手かもしれない。そんな、シェルパ選手にUTMBの地で出会えたのは嬉しかった。

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Sange Sherpa選手。  写真左がRamさん。
右に映るおじさまからカメラ目線をもらっていた(笑)
そんなおじさまもOCCに出場した証として手首にリストバンドが。

〈遂に、日本のレジェンド 鏑木 毅選手と〉

Sherpa選手の後には、土井 陵選手も到着。
状態があまり良くなかったのか、辛そうに見えました…
後から、クールマイユールで鏑木さんとのエピソードを知り、
あの時頑張って、クールマイユールに出かけるべきであったと少し後悔することに。

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土井 陵選手と、サポートの橋爪さん。
橋爪さんは、今年のUTMFでも土井選手のサポートを担当された。


そしてその後、ついにあの選手がやってきた。

日本のトレイルランニングのレジェンド・鏑木毅選手だ。

2018年5月に、あの「激走!モンブラン」に大きな衝撃を受け、鏑木さんをサポートしていた三浦 務さんのようにサポートをしてみたいという想い一心で、私は去年初めて、UTMBの地へ降り立った。
(それまでトレイルランニング自体ほとんど知らない、マラソン市民ランナーでした)

Trientに鏑木選手が到着した時、たくさんのクルーに囲まれながら、
鏑木さんはやってきた。UTMBの赤いゼッケンを付けてエイドに向かって走ってくる鏑木さんを見た時、夢を見ているのではないかと思うくらい、
感動的なシーンだった。来る日も来る日も見続けた、激走!モンブラン景色が目の前にあると思うと。

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エイドでの鏑木選手

「激走!モンブラン」で見たあの景色とは、違った景色がそこにはあった。
2009年、鏑木さんはトップオブトップの上位争いをしていて、エイドでは
1分1秒を争うF1さながらのエイドワークが行われ、各エイドで必ず「差はどれくらい?」と食べ物を頬張りながら鋭い形相で確認していた。

今年の鏑木さんは違った。
時折笑顔を見せながらエイドに入ってきて、エイド内でも、ご家族と笑顔で話しながら、スタッフのサポートを受けていた。
ベンチに腰掛け、様々な施しを受けつつ、ご家族との時間を楽しんでいる様子の鏑木さん。
その姿に10年という年月を感じつつも、ランナーとして再びこの地に生きる鏑木さんを見て、先駆者として鏑木さんが創り上げた日本のトレイルランニング文化への功績への敬意しかなかった。

〈サポートスタート〉

鏑木さんを見送り、いよいよ市民ランナー選手をサポートさせてもらう時間へ。

市民ランナー選手の到着は、LIVE TRAILとLIVE INFO app両方を常にチェック、各選手の到着予想タイムをチェック表に書き込みつつ、Trientに最初の選手が到着した以降は予想タイムとのズレがどれくらいあるかの傾向を掴み、サポートの準備に役立てた。

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クールマイユール・シャンペ湖の通過タイムを元にトリエンへの到着タイムを想定して、サポートの準備をした。

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サポートテーブルには、選手からあらかじめお預かりしたアイテムと、
次のエイドまでの距離/D+-/ エイド関門時間がひと目で分かる表を準備した。

選手へは、預かっているアイテムをもとに、オーダーされていたサポートを実行しました。自然相手のトレイルランニング、時には使用していたポールが折れてしまったという選手もいて、今回のサポートメイトの方が言っていた 「トレイルランニングのサポートは、選手の必要装備品一式を一通り持っていくべき」という言葉の意味が身に染みて分かった。

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今回お預かりした、選手のサポートアイテムが入っている、18選手分の
ジップロックの山。

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サポート場所は、大会が用意してくれている物資(水・食べ物など)が一番近くにあるテーブルを陣取った。(写真奥のバナーが貼られたテーブルが物資エリア)

市民ランナーのサポート中に、横山 峰弘選手がTrientエイドに到着。
横山選手も鏑木選手と共に、激走!モンブランの世界で駆け抜け、あの時に6位入賞を果たした、鏑木選手の盟友である横山選手。
鏑木選手に続き、横山選手をもUTMBの地で出会えるなんて、
本当に夢のような出来事であった。

しかも!、その横山選手を今回サポートされていたのが、
あの、三浦 務さん・・・!
私自身トレイルランニングを全く知らなかったため、最初は三浦さんがどんな方かも存じ上げなかったけれど、激走!モンブランで鏑木さんをサポートされていた姿に激しく心奪われ、絶対に三浦さんのように誰かをサポートしてみたいという強い気持ちをもたらせてくれた三浦さんと、UTMBで同じエイドで、同時にエイドワークをすることができたことは、おそらく一生涯忘れられない想い出だ。

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憧れの三浦 務さん。横山 峰弘選手のサポート準備中。

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横山選手をサポートする三浦さん。
このお二人といっしょにUTMBのエイドで生きられたことは生涯の想い出になるだろう。

横山選手を見送った以後は、朝の7:30頃まで、Trientでの市民ランナーサポートが続いた。
結局、Trientエイドにおよそ17時間、滞在していた。

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Trientの素晴らしい、朝方。
ピンク色の教会が、Trientのシンボルマーク。

ちなみにTrient滞在17時間の後、Vallorcineエイドに移動し、
テールエンダーの方々のサポートをさせていただきました。

〈ちなみに、Trientエイドって〉

UTMBのアシスタンスサポート可能エイドは、
コンタミン/クールマイユール/シャンペ湖/トリエン/バロルシーヌの5箇所ですが、最も賑やかなのが、このTrientエイド・・・!
Trientエイドはスイスにあります。

つねに爆音で音楽が流れ続けていて、エイド内にミニバーがありお酒が売られているのもトリエンだけ(笑)
トリエンエイドのミニバーでは、ビール・ワインなどのお酒を買うことができます。

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アシスタンスエリア内にあるMCブース。
夜にはMC達が、BGMに合わせて大熱唱も。

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アシスタンスチケットなしで入れるエリア。
写真左側がミニバー。

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ミニバーで購入したビール。
ミニバーでは、ユーロ/スイスフラン両方使えました。

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