寒さ極まれる季節ならではの、清澄たる気配を愛でる。【二十四節気・大寒】

二十四節気の一つ「大寒(だいせつ)」は、例年1/20頃から始まり、一年で最も寒くなる時期と言われています。

ところで、1月から2月上旬頃の間は、成人の日以外にも「いつもより着物姿の人が多いな……」と思ったことはありませんか?

それはもしかすると、お初釜に向かう人の姿かもしれません。

「初釜」とは、「一年で一番最初に(茶を点てる湯を沸かすための)釜を使い始めること」から、お茶(茶道)の世界では、その年最初の茶会のことを意味しています。
「初釜」という言葉が一般によく使われますが、「会始」という表現もあります。

お香(香道)の場合は、その年最初の香会を「御初香」や「御初会」などと呼んでいます。

星も冴え増す真冬の時期は、清澄たる空気や雪があり、香を聞くのにも佳いものです。

掌(たなごころ)の上に、小さな聞香炉から、炭団の暖かさがほんのりと伝わる……

確かに寒さはつらいものですが、冬には冬の魅力があるもの。

四季折々の美を愛でつつ、日々を過ごして参りましょう。

2019年の「大寒」は1/20から、次の「立春」は2/4から。暦の上では、いよいよ春が訪れようとしています。

「大寒」の内の七十二候

款冬華(ふきのはなさく)1/20-1/24頃
「ふき」とは「ふきのとう」のこと。積もる雪の合間に萌え出づる緑のふきのとうの姿は、利休が自らの茶の湯の理想を「雪間の草(=藤原家隆の和歌「花をのみ 待つらん人に 山里の 雪間の草の 春をみせばや」)」に喩えた古事を思わせます。
水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1/25-1/29頃
寒さ極まれる季節、沢の水が凍りつく様を表す次節。現代でも、最低気温の記録が出やすい時期のようです。
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1/30-2/3頃
鶏が卵を産み始める頃。現代では一年を通して卵を手に入れることができますが、これらは基本的には無精卵のもの。有精卵の旬の時期は、早春から初夏と言われています。


冬の節気はこれでおしまい。春の訪れをお楽しみに。

madoka 拝

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