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2023年2月27日(月) MY CITY TOWN ~ヒグチアイ×リーガルリリー CLUB CITTA'(川崎)

ヒグチアイ×リーガルリリー

 

川崎。


ヒグチアイの口から出たのは川崎競馬。川崎競馬と言えば名牝ロジータ。抜群に強かった。

ヒグチアイを競走馬に例えたら、五歳を迎えてオープン入り。特別戦を連勝して、これから重賞を狙おうといったあたりか。


川崎。


知人が飲食店を構えてる土地。開場19時の開演19時半と聞けば、ライブ前に一杯、いや五杯飲みに行くのは当然の流れで。

知人とは普段の関係性ではなく、ヒグチアイが大好きなおじさんのスタンスで話をしたかったのだけれども。結局一社会人としての話で終始して。

(プライベートで来る店じゃねーな)とココロの中で悪態つきながら食べる料理は美味かった。彼とこういう関係になるのにどれくらい時間をかけただろう。少し人間関係苦手な感がある人だけど、先約がない限り頼まれたら必ず手伝うようにしてもう2年。お互いの愚痴をゲラゲラ笑いながら語れる仲にはなった。口先だけじゃないことを見せるのが自分の処世術。今時じゃない「足で稼ぐ」みたいな昭和のやり方だけど、これでやらせてもらってる人生。


そして気がつけば18時50分。セットしていたアラーム音と画面に表示された「もう移動しろ」という過去の自分からの警告。促されて今日の居場所クラブチッタ川崎へ。知人はライブだのクラブチッタだの語る私を苦笑いでお見送り。ごちそうさまでした。


ヒグチカイからは2人の参加。rekoさん、香るエースの長老2人。そして2人とも日中の色々でフラフラになりながらのライブ参加。よく「またライブに行けるように頑張る!ライブは元気をもらえる!」ってSNSで見るけど、なんか違和感すごい。やる気元気って他人からもらうものじゃなくて、自分で精製するものだと思っていて。

息も絶え絶えでライブ会場に着いて「来て良かったね」と言い合ってフラフラと帰路につく。それだけの話で良いんじゃないかなぁ。うまく言えないけど。ヒグチアイの言う「元気がなくてもまた会おう」の先に「元気になって帰ってね」は無いはず。

そんなことを考えながら帰った2人のライブ参加でした。


リーガルリリー。


登場直前、最前列の人が「俺に続け」とばかりにスタンディング。疲れてるし、やっと得られた着席の権利を逃したくなかったので、立つ気ゼロ。そしてリーガルリリー登場と同時に立ち上がる周囲。疲弊しているであろう足腰の震えを気力で押さえつけ、力強く大地に立つrekoさん。それを見たら流石に俺も立ち.上がらなくては...とは微塵も思わず、しっかり着席で鑑賞させてもらいました。

歌と演奏に合わせて、それぞれの感じで身体を動かすオーディエンス達(使い方合ってる?)心臓の鼓動とシンクロしてるような激しい動きの方もいれば、直立不動で時折頷くような形でリズムをとるお姉さんも。この人達ヒグチの時はどんな感じで聴くんだろうな、と思い眺めながらリーガルリリーを体感しました。

ほのかさんは裸足で、ドラムの人がオレンジの短パンと靴下で、ベースの人がスマホネック大丈夫かな?と心配しちゃうくらいずっと首が落ちてて、あれ?レポでも何でもないぞ。

その上、rekoさんと中休みの時に「歌詞がほぼ聴き取れなかったね...」と周囲のリーガルファンには絶対聞かせちゃいけない感想を言い合って...年寄りが予習なしで演者に触れるとこんなことになるという雑な感想で申し訳ない気持ち。歌詞が聴き取れたらもう少し感情移入できたんだけど。エンタメとして演奏を楽しみ、リーガルリリータイムを過ごす。かわいいかっこいいお嬢さんでした。

あれだけ酷い体調に加え、ビールとハイボールの入った爺に一瞬たりとも睡魔を感じさせなかっと一点において、リーガルリリーは素晴らしかった!という素晴らしくない独り言。


ヒグチアイ。


お姫様みたいと褒められてから着続けてる

真っ白いワンピースはもう制服です


その真っ白なワンピース。シルバーのベスト?オニツカタイガーの靴。素敵な衣装。伏線回収のような歌詞で歌い始める悲しい歌がある理由。ステージに残った熱をゆっくりと下げ、自分の温度に誘う優しく強い歌。

本当のわたしを知る人は棺桶の中」ってところがヒグチアイらしいと思っていて。星になったとか、きっと見守ってくれているとか、写真の中で笑ってるとか、いくらでも表現あると思うけどあえての「棺桶の中」だよ?最高じゃない?


最高だよ。


火々。この歌が最近のヒグチ10の上位。出勤時にいつも聴いてる。しっとりと歌う中に 燃える 焼く 火 熱 とか情念が垣間見れるワードが選ばれてて、個人的に1日の始動にすごく合う逸品。

火といえば、ヒグチアイのライブは「客席中に嗚咽がもれて、終わったら焼け野原になってる」って、むかし草野さんだったかな?が言ってたけど、火炎放射器みたいなもので直接燃やされるというより、太陽に近づきすぎて焼けるイメージが近くて。気付いたら燃やされてるんだよね。言ってみれば照り焼き。年末のツアーのテーマにどうかな「照り焼き」良くない?


良くない。


ネオンライトに呼ばれて。妻との色々を思い出す曲。語ると気持ち悪いから割愛。ビルボードでのハマり方が凄かったなぁ。冷えたビールが飲みたくなる飲酒誘導ソング。


そして「久しぶりに歌います」と共に始まった、みんな大好き墨田区民の歌、ココロジェリーフィッシュ!思わず隣のrekoさんに「きたね!」と話かけてしまう。ライブ中に興奮した爺から話しかけられて迷惑だったろうなぁ。酒臭くなかったかしら。

最新系じゃない曲を一曲は歌ってくれるとは思っていたが、これは完全にギフト。元気が出た!(結局元気出るんかい)


予報外れの雨の日は

透明のくらげが漂うよ


この美しい歌い出し「吾輩は猫である名前はまだない」クラスに世に広まるのではなかろうか。


バンドで聴けたからけいちゃんのパフォーマンスも見れたし、もう一度♪のあとのピロピロピロ(表現力よ...)も堪能できたし、すごい元気でた!(さっきウダウダ言ってたの何だったんだよ)


スタンディングヒグチアイ/悪魔の子


のパフォーマンスに圧倒され、畳み掛けるようなまっさらな大地。これ自分でも謎目線なのだが、ライブで悪魔の子とまっさらな大地を目の当たりにすると「はい、こちらがあのお馴染み悪魔の子ですよ!みんな楽しんでいってね!またライブ来てね!」と思って周りの反応見ちゃう。謎だ...うちのヒグチいかがですか?やないねん...しかしバンドで映える曲だなぁ。こんな鉄板曲を産んだヒグチアイにベストマザー賞を贈呈。

悪魔→まっさらの間で拍手が起きなくて、あれはあれでよかったのかな。聴いてる間の潜水が深すぎて、急に地上に出てもボーっとしちゃう。


東京にて。

ビルボードを経てヒグチ10に返り咲きランクインした曲。mmmと並んで自分の中ではコロナ禍ソングで。間隔を空けずに座ることができるようになったライブで聴けるようになった現状に思いをはせながら、ホームレスやら父親やら派遣社員やらサラリーマンやら芸人やら、この歌に出てきた人達は今どうしてるのかな、なんて。


やめるなら今。三部作では断然距離推しなのだが、この曲の出だしにはいつもワクワクさせられる。バンドだと更に。

あのね。

辛い時は逃げていいんだよとか、逃げるが勝ちとか言われちゃうと辛いんですよ。耐え抜く人生を選んだ側からすると。だからやめるかどうか迷う人に寄り添う歌であると同時に、傷だらけで人生折り返しをすぎたおじさんにも染みる。そうだ「やめないで良かった」というアンサーソング。良くない?


これはなかなか良いね。


最後。くるりのばらの花。

聴いたことある歌で、ほのかさんの声をしっかり聴けてよかった。素敵な歌声です。頑張ってほしい。


そんなわけで移動時間にスマホポチポチしながら進めて、最後は半身浴しながら仕上げたライブレポでした。なんか日記みたいだけど、それはそれでうちの店の味ということでご容赦を。


元気でた!


(結局それかよ…)


香るエース


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