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香るコトバ #03 フランキンセンス

雑念を払い、深く呼吸を促してくれる神聖な香り

イエス・キリストが誕生した際にミルラ、黄金と共に捧げられたことで有名なフランキンセンス。中世のフランス語では「本物の香り」を意味し、和名では「乳香」とも呼ばれています。

木の表面を傷つけることで、乳白色の液体が流れ出し、それが空気に触れることで樹脂となります。このしずく型の神秘的な樹脂が精油のもととなるのです。

フランキンセンスは水分の少ない乾燥地帯で多く見られ、過酷な環境で育つんだそう。そんな背景から、置かれた状況でも強く生きるというメッセージを感じられます。

キーワードは「瞑想」「神秘的」「浄化」「平穏」「修復」など。

ベースノート(揮発速度が遅いもの)の中では、すっきりしている香りなので、ブレンドにはかなり重宝します。主張しすぎず、深いところでしっかりと香ってくれて全体のバランスをととのえてくれます。

オレンジスイートとラベンダーとのブレンドは、定番ながらも、本当に見事なハーモニーを奏でます。ふわりと広がる柔らかいリラックスの香りは、大人から子どもまで優しく包み込んでくれるよう。

そんなフランキンセンスですが、アロマを始めた頃は、よく掴めない香りだと思っていました。本によっても表現がバラバラで、バルサム調、スモーキー、ウッディ、スパイシー、レモン調など「けっきょくどういう香りなの?」とずっとモヤモヤしていました。

しかし何度も嗅いでるうちに、そんな雑念を取り払ってくれるかのように、心に染み渡っていくような感覚を覚えました。あれこれ考えすぎずに、まずは目を閉じて深く呼吸をしてみて、と語りかけるように心身を癒してくれたのです。

掴みどころがないのではなく、そのミステリアスさこそ、フランキンセンスの一番の魅力だということに気がつきました。

忙しさや悩みなどから、ついつい考えすぎてしまいがちな人には、ぜひ試していただきたい香りの一つです。メーカーによって香りがかなり異なるので、自分にスッと入ってくるフランキンセンスを探してみるのもおもしろいかもしれません。

▼フランキンセンスが使われているアイテム




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