私は何になりたいんだろう

私は何になりたいんだろう。
私はどんな人間でありたいんだろう。

私の人生は、あまりに整理整頓ができていなくて、汚くて、暗くて。
この人生という部屋を、リフォームして、明るくして、ときめかないものは全部捨てちゃって、大好きなものだけで溢れさせたい。
こんまりメソッドは、人生にも適用できますか?


私は昔から、「女」になりたかった。
「女」じゃなかったから。
私は女じゃなかった。女の身体を持っていた。けれど、女じゃなかった。

でも、そんなこと外から見たらわからない。だから私は、女でいた。
女を使った。女らしくあった。
私は女でいられた。

父親がとんでもない人間で嫌いだったから、男が嫌いだった。男になりたくなかった。私の中から男を排除したかった。
私は多分幼い頃から男の要素を持っていた。思い返してみればたくさん証拠がでてくる。
ズボンを履きたがったり、国立小学校の全員指定であった黒のランドセルで安堵したり、パンツにティッシュを詰めたり、男性器をサンタさんに本気で願ったりした。(サンタさんにお手紙を書かなくて良かった、親は何事かと思っただろうしその頃の私には上手く説明できなかった)

それなのに、私はそれを無意識のうちに無視していた。
「私は女」
その意識が、おそらく誰より強かった。


私の人生を変えたのは、クリムトだった。
たまたま入った大学の、たまたま取った授業でたまたま見たクリムト。

クリムト展には2回行った。
なんて美しいんだろう。そこには、女として生まれ、女として生きることになんの疑問も躊躇いもない、美しく自信に溢れた、エロティックな魅力を自覚している女たちがいた。

彼女たちは美しい。
私は美しくない。

彼女たちは女だ。
私は女になりきれない。

彼女たちは自信に溢れている。
私は自分に自信がない。

彼女たちは自分のエロティックな魅力に自覚的だ。
私には魅力がない。それを使うこともできない。

自分の中に押し込めていた、
「私は女になりきれない」
という事実を、私は思い知った。認識した。無意識から、意識上へ。
私は女になることを諦めた。いや、「私」の中に男の要素が多分に含まれていることを認めた。

私は、女を捨て去りたくなった。男になりたいと思った。
私は自分がFTMだと思った。(今もそうかもしれないと思う)
髪をバッサリ切った。メイクをやめた。パンツスタイルが増えた。UNIQLOに行ってメンズ服を買った。
私はホルモン治療もオペもしたかった。最初はしたくないと思っていた。でもしたくなった。

どう頑張っても、私の声は高かった。
どう頑張っても、私の背は低かった。
どう頑張っても、私は女未満で男未満だった。
未満。未満。未満。

私が「薫」を名乗り始めたのもこの頃だった。
男の子の名前で一番好きだからだ。そして、五感の中で嗅覚が一番好きだからだ。


結局行き着いたのは、「ノンバイナリー」だった。
ノンバイナリーという言葉を知ったのは、queer eyeのジョナサンがノンバイナリーをカミングアウトした時だ。
ジョナサンはサラサラのロングヘア。かわいいヒゲ。ヒールもワンピースも、なんでも着こなす。

私は、本当に本当に自分がなりたかったのは、両性なのだと思った。(現時点)
ジョナサンは、私にとって光だった。ジョナサンが女の子らしい振る舞いで堂々と歩く姿は、まさにクイーンだった。

私もクイーンになりたいよ。

ジョナサンは、今のニコニコ明るくてみんなを前向きに元気付けて自信をつけてくれる姿に辿り着くまでとんでもなく苦労したのだろう。言葉の端々から感じられる。
でも、そうしてジョナサンはクイーンになった。

私も、女の子でもあり男の子でもある、クイーンになりたいよ。

私は今までの暗くてじめじめした人生を、全部全部断捨離して、クイーンになるんだ。
薫くんも薫ちゃんも、どちらもクイーンになるんだ。


私の人生本当にゴミだった。でも私、19歳になったんだ。あと1年で20歳になれるんだ。

私は生き抜いたんだ。子供時代を。

私はこれからも生きるんだ。大人を。

嫌なことばかりだし、未来は見えないし、友達はいないし(いるけどなぜか全員海外にいるから会えないし)、来月からフリーターだし、お先真っ暗だ。高校までの同級生は、みんな良い大学でキラキラキャンパスライフを送っていて、私は惨めで仕方ない。

でも私だって頑張ってるじゃないか。
でも私だって努力してるじゃないか。
でも私だって我慢してるし耐えてるじゃないか。

死にたくても死ねない、家を出たくても出られない、会いたい人に会えない。

でもそれでも這い上がらないと。

私はクイーンになりたい。
優しくて、人に自信を与えられて、自然な笑顔を作れて、人の痛みに寄り添えるクイーン。

「人の痛みを理解することはできない。けれど寄り添うことはできる。」
私の人生のモットー。

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佳織

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