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大和芋のとろろ汁

今週のcakes『スープ・レッスン』は、長芋×味噌でミニマルなレシピのとろろ汁を作りました。noteでは、より粘りのある大和芋(いちょう芋)を使って、だしでのばしていく、本格的なとろろ汁をご紹介しましょう。

まずは材料からご紹介です。すり鉢など、道具も一緒に。

材料(2人分)
大和芋(いちょう芋) 200~250g
だし 250~300mL ※顆粒だしやだしパックでとっただしでも可
塩ひとつまみ
醤油 小さじ1/2 ※できれば薄口醤油 
麦ごはん 
青のり、もみのり、さらし長ねぎなど お好みで

1 芋の皮をむき、すりおろす
大和芋はよく洗い、一部を残して皮をむき、すり鉢の上ですりおろす。すり終わったら、さらに、すりこ木でなめらかにする。

今回は、なめらかな舌ざわりのとろろ汁を目指します。そのため、おろし器は、左のような、目の細かいものを選んでいます(右は大根おろし器)。このあとすり鉢でまたするので、いつものおろし器でも大丈夫です。

大和芋は、長芋よりも強いねばりがあります。なるべくギリギリまで皮を残してすると、楽にすりおろせます。最後はキッチンペーパーなどですべらないように押さえて。

長芋と違い、やまと芋はボコボコしているので、ちょっと皮をむきにくいですよね。

すりおろしただけの大和芋は、ものすごく粘りがあって、箸で持ち上げると餅のようにビヨーンとのびます。このままでは汁と呼ぶことはできませんので、これをだしでゆるめていくのです。

だしを加える前に、まず芋だけをよくすりましょう。よりきめ細かく、なめらかにします。すり鉢の下には濡れぶきんを敷いて、しっかり固定します。

すりこ木の使い方ですが、両手を使うすりこ木の撮影ができなかったので(シャッター押す手がなかったのです)、イラストで説明しますね。すりこ木の頭を右手で軽く押さえ、ブレないようにします。そして左手でぐりぐり回す。言葉にすると難しそうですが、実際にやってみると簡単です。

よく混ぜることで、ムラなくなめらかになるだけでなく、とろろに空気が含まれてふんわりしてきます。

2 すり鉢に入れ、だしを加える

塩と醤油を加えて調味しただしを1に少しずつ加え、そのたびによくすりこ木で混ぜ、ごはんにかけられるぐらいまで、ゆるめていく。

最初にだしを加えるときは、本当に注意しましょう。ドバっと入れてはいけません。大さじ1杯か2杯、少しだけ混ぜます。数回繰り返すと、山芋がゆるみますから、それからはお玉一杯分ぐらいずつ加えて大丈夫です。

だしは、薄めの昆布かつおだしか、昆布だしが上品に仕上がっていいなと思っています。塩と醤油で淡く味をつけておきます。薄口醤油を使ったのはあまり色をつけたくないからで、気にしない方は普通の醤油でも大丈夫。もちろん顆粒だし、だしパックのだしでもOK。だしについてはこちらの記事もどうぞご覧ください。

3 麦ごはんにかけて食べる
ごはんに2をかけて食べる。好みで醤油をかける。青のりやさらしねぎも、お好みで。

だしの量は250~300mLとありますが、実際には芋の水分量にもよります。こんな感じに、スルーっと落ちてくるようになったらOK。あとはごはんにかけるだけです。薄めの味つけなので、各自醤油を加えつつ食べましょう。

ごはんは、軽くよそって、たっぷりめにとろろ汁をかけられるようにします。足りなければおかわりを。

押麦ごはんがよく合いますが、たまにしか食べないなら、麦ごはんはパックのものを使ってもいいんじゃないかと思っています。

すり鉢について

こんなに難しいことはできない!と思われた方は、こちらのcakesの記事をぜひどうぞ。めちゃくちゃ簡単ですよ。

一般的なレシピでは、大和芋(いちょう芋)や自然薯など、より粘りの強い山芋を使うことが多いのですが、なぜ今回長芋を使ったかというと、こちらのレシピで使った「すり鉢」のない家が多いのではないか、と思ったからです。特に一人暮らしの方で、すり鉢を持っていらっしゃる方は、相当料理好きか、プロなのではないでしょうか。

でも、大和芋(や自然薯)はさきほど説明したように非常に粘りが強いため、ボウルですったり、だしを混ぜるのはなかなか困難です。多くの人が失敗なく最大のパフォーマンスを出せると思ったのが、今回cakesでご紹介した、長芋×味噌のとろろ汁でした。

すり鉢は、おろし器であり、細かくつぶすことができ、さらに山芋に空気を含ませてふんわりさせる、とてもすぐれた道具です。昔は一家に一台あったものですが、最近はあまり見かけなくなりました。

そう高いものではありません。私の使っているものでおそらく7寸(内径21センチ)。もう少し大きくてもいいかなとは思いますが、場所をとられる的な問題はあるので小さめでご紹介しておきます。作ってそのまま食卓に出してもいいと思います。

美濃のマルホンは、日本のすり鉢シェアナンバーワンの、すり鉢メーカーです。刷毛目が職人の技。すりこ木も忘れずに買いましょう。(そういう私は実は麺棒で代用しているのですが)



読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。