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めんつゆ割りの基本

暑くなってきて毎日の食事に重宝するのが、めんつゆですね。麺類以外にも煮物や炒め物など、さまざまな料理に便利に使えて、これなしで料理ができない人も多いのでは!

便利なめんつゆですが、ちょっと困ったことがあります。それは、製品によって、濃縮率が違うということ。ストレート以外は水でうすめて使うことを前提としています。見る限りでは「2倍濃縮」「3倍濃縮」「4倍濃縮」があります。

倍率だけ聞くと、混乱してしまうのが水の量。2倍濃縮ならめんつゆの2倍の水を入れればいいの?と一瞬思ってしまいそうですが、そうではなく、2倍量にしたときにストレートの「つけつゆ」と同じ濃さになるという意味です。

図にすると、こういうこと。

つまり、

2倍濃縮では、つゆ1:水1

3倍濃縮では、つゆ1:水2

4倍濃縮では、つゆ1:水3

この割合で薄めると、つけつゆの濃さになる、が正解です。
ここまでは「知ってるよ!」という人も多いかと思いますが……

このめんつゆ、煮物などの料理に使えるので、レシピの中で使われることもあります。

たとえば、今回のスープレッスンでは3倍濃縮のめんつゆ大さじ3(45mL)に水350mLを加えて、お吸い物ぐらいの味にしています。つまり、普通のつけつゆや、かけつゆよりもずっと薄めて使っています。

ではここで、質問です。

これと同量の同じ濃さのものを2倍濃縮、4倍濃縮のめんつゆで作る場合、めんつゆと水は何mLずつあればいいでしょうか?

このとき必要なめんつゆと水の関係は、図にするとこうです。

図の※が水の量。全体の構成は

(めんつゆをストレートに戻すための水とめんつゆ)+(うすめる水)です。

3倍濃縮のめんつゆ45mLに350mLを加えたときの内訳を考えてみましょう。

めんつゆをストレートに戻すための水は、めんつゆの2倍量=90mL。
(つまりめんつゆ45+水90で135mLのストレートつゆができます)
そして、加えた水350mLからその90mLを引いた260mL が、(うすめる水)となります。だから全体量は、135+260=395mL。

これを4倍濃縮で考えます。
めんつゆ1:水3で上と同じ135mLのストレートつゆにするためには、
135÷4≒34mLなので、34mL(大さじ2強)のめんつゆに対し、102mLの水が必要。きっちりではないですが、136mLのストレートつゆになります。そこに260mLを加えればさっきと同じになります。
つまり全体ではめんつゆ大さじ2強、水350mL(≒102+260)が正解。

2倍濃縮だとこうなります。
135mLのストレートつゆにするためには、めんつゆと水が同量なので、135÷2≒67mLずつが必要。
めんつゆ67mL(大さじ4と1/2強)+水67mLの水=134mLのストレートつゆ。ここに260mLの水をさらに足します。
ですから、全体ではめんつゆ大さじ4と1/2弱と、水327mL(=67+260)が、正解です。

ふう。

今週のスープ・レッスンのレシピでは、この分量に沿ったうえで、量りやすい量に多少直しています。(大さじ0.46とか嫌ですよね)ですから、厳密にいえば同じ濃度ではないのですが、めんつゆによっても味わいが多少違うので、あとは自分で調節してみてください。

料理って、正確にやろうと考えはじめると、どんどん細かくなってしまうわけです。でも、おうちでつくるときには、器に水を350mLぐらい入れて、そこにめんつゆをタポタポッと注いで、味を見ればいいんです。薄ければめんつゆ、濃ければ水を足しましょう。

レシピ裏話でした。


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。