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東西シュトレン食べ比べ

食&アートのブロガーでパンフリークの大谷 りえ子さん主催の「ハード系パン食べ比べの会」に参加しました。今回は関東・関西有名ブーランジェリーのシュトレン食べ比べです。シュトレンなんと11種。もちろん、こんなにたくさん一度に食べるのは初めて。

シュトレンは、ドライフルーツやナッツ、マジパンをぎっしり焼き込んだ固いパンに、溶かしバターや砂糖をコーティングして保存性を高めたものです。薄く切って少しずつ食べながらクリスマスを待つアドベント菓子。ここ1~2年で急に人気が高まった感がありますが、食べたことのない方も結構いるのではないかと思います。

今回、試食したのはこちら。まずは関東編。

(関東)
①タンネ(日本橋)
②ムール ア・ラ・ムール(伊勢原)
③ツオップ(松戸)
④ブレッド&サーカス(湯河原)
⑤カタネベーカリー(西原)
⑥ブーランジェリー・ジャンゴ(江古田)

※写真は一番大きいのがタンネ、そこから右回りに①~⑥です。⑥のジャンゴはいちご味の生地でピンク色。幾つかのものは、真ん中にマジパンが巻き込まれています。マジパンはアーモンドの粉と卵白と砂糖を混ぜたもので、マジパン細工などに使われますが、シュトレンではこれが味のポイントだそうです。

続いて関西編です。
(関西)
⑦ブーランジェリー・フリアンド(西宮)
⑧ベッカライ・ビオブロート(芦屋)
⑨ブーランジェリー・ビアンヴニュ(御影)
⑩コンセントマーケット(西宮)
(北海道)
⑪アトリエタブリエ(札幌)

左の小さくて白いお砂糖がついているのが⑦フリアンド、そこから時計回りに⑦~⑪です。⑩はチョコ味。⑪はクルミがぎっしり。シュトレンは溶かしバターを繰り返しかけ、そこに砂糖をまぶしてあるので、結構ベタベタしています。よく見かけるのは粉砂糖ですが、グラニュー糖のもある。

生地の食感や香り、ドライフルーツやナッツの種類、マジパンの甘さ、スパイス、表面の砂糖やバター、サイズや形など、どれ一つ同じものがなく、個性的。

日本文化に馴染みがない味なので、どれをスタンダードにするかだと思うけれど、比べた中で中庸なのは、カタネ、ムールアラムール、ブレッド&サーカス、ビアンヴニュあたり。シュトレン食べたことないんだけどトライしたい、という方におすすめです。ドイツパンのタンネのシュトレンもクセはありません。パンにより近い感じで、クロテッドクリームやサワークリームつけて食べると美味しいです。

ツオップ、ビオブロート、フリアンドは生地に店のスタイルが出ているのかな?という感じでした。ツオップやビオブロートは洋酒の香りがちょっと立っていて、もう少し時間を置くと慣れて美味しくなるのかも。フリアンドはしっとりとしたきめ細かな水分の多い生地で、しっとりした生地の好きな方にはおすすめ。

ジャンゴ、コンセントマーケット、タブリエは、味や形、具にかなりアレンジが入っています。ジャンゴの苺のシュトレンや、コンセントマーケットのチョコシュトレンは、パーティなどに持っていくと受けそうなタイプ。タブリエはクルミ好きな方に。

ドイツでは、シュトレンは菓子というよりは、パンの位置づけとのこと。長持ちさせる工夫があって軽い食事にもなり、12月の忙しい主婦を助けているのではないかなとも思います。おせち料理に通じるというか。価格も少し高めのせいか、リッチな味わいに仕上げてあるものが多かったですが、この中では飛び抜けてシンプル、フルーツの割合も低めのタンネが、実は本場ドイツのシュトレンなのかもしれません。

私は以前はフロインドリーブのシュトレンを毎年食べていて、今は近所のパン屋のシュトレンが割と美味しくて12月になると買っています。もろもろ崩れるしあまり柔らかくもないし、美味しいかと言われると実はよくわからないと思いながらもやみつきに。季節ものとして習慣になりました。

日本人の好みなどお構いなしという佇まいが魅力で、むしろ美味しすぎるのはなんとなく違うような気がする…というわけで、とんがり過ぎず穏やかなカタネベーカリーのが一番好みでした。フルーツぎっしりで生地の風味が豊かなツオップが次点。ビオブロートはもう少ししてから食べてみたい。ブレッド&サーカスのもかなり美味しかったけれど、湯河原でしかも行列とのことで、忙しい師走には手に入りにくそうです。

シュトレンには、感謝して食べるという意味が込められているそうです。薄く切って大切に、感謝しながら、クリスマスまでの時間を過ごします。

以上、スープではありませんが、クリスマスの時期にぴったりなのでレポートしてみました。ご興味ある方、ぜひ今年はシュトレンを。

追記:ちなみに12月3日の日経新聞NIKKEIプラス1の特集が、シュトレンランキング。お店の名前だけ列記すると
1.トラン・ブルー(飛騨高山)
2.フランス菓子16区(福岡)
3.パレスホテル東京
4.ツオップ(松戸)
5.銀のすぷーん(久留米)
6.ビゴの店鷺沼
7.パークハイアット東京
8.パティスリー・アカシエ(さいたま)
9.コンディトライ・フェルダーシェフ(広島)
10.京王プラザホテル


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。