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ブラック企業やパワハラ被害に遭う人、監禁された人、DVされてる人、がその場を去ることができない理由(学習性無力感)

一言でいうと

「無力感」を学習すると、そこから抜ける努力をしなくなる(できなくなる)

活用シーン

自己啓発、教育、自身の成長

内容

1960年代のリチャード・セリグマンの実験。
犬を小さな仕切りのある部屋に入れる。
ある音が鳴ると、床に電気ショックが走り、仕切りを飛び越えて反対側へ行けばそれを逃れることができる。

本来この実験で、犬に音を合図に仕切りを飛び越えれば痛みを感じずに済むということを学習させたかったが、犬はまったく何もしようとしなかった。
犬は度重なる痛みを逃れる方法を学ぶ前に、「どうせ無理」と学習してからは、何の回避行動もおこなわなくなった。
ただ痛みと恐怖に震えるのみだったそうな。
その他の動物や、1975年にはヒトを加えた研究で、そのことが人間にも起こる事を証明した。

さらにWikipediaではこんな記述もあります。

長期に渡り、人が監禁されたり、暴力を振るわれたり、自分の尊厳や価値がふみにじられる(主として、いじめやモラルハラスメントに代表される人格否定)場面に置かれた場合、次のような徴候が現れるという。

1.被験者は、その圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況から、自ら積極的に抜け出そうとする努力をしなくなる。

2.実際のところ、すこしばかりの努力をすれば、その状況から抜け出すのに成功する可能性があったとしても、努力すれば成功するかもしれないという事すら考えられなくなる(言い換えると、長年受けた仕打ちによる反動で、どんな可能性さえも「無駄な努力」と断じ、自発的行動を全くしなくなる)。

3.ストレスが加えられる状況、又ストレッサーに対して何も出来ない、何も功を奏しない、苦痛、ストレス、ストレッサーから逃れられないという状況の中で、情緒的に混乱をきたす。

人の行動は、良かれ悪しかれ何らかの学習の成果として現れてくるものである、という学習理論を土台とした理論である。拉致監禁の被害者や長期の家庭内虐待の被害者、学校での人格否定やいじめ、会社などでのモラルハラスメントや、いわゆるブラック企業に雇用され低賃金で過酷な労働を強いられ続けながらも自ら進んで退職しない者が一定数居ることなど、行動の心理的根拠を説明する理論として、注目されている。

ということはつまり、先だって判決の下った、19歳の娘を父がレイプした事件や、ブラック企業をやめられない人、DVから逃げられなくなる人、などなどはこういった心理状態があるのかもしれません。(ちなみにレイプ事件は、この考えを精神科医が提出したうえで、裁判所は無罪にしていますが)

裁判とか、警察とか、職場とか、学校とか。
そういう公共の場で、こういった「人の特性」を知ることがとても大事なはずなのに、それが必須となっていないのはどことなくおかしいと思うんですが。。。



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