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ポイ捨て禁止広告が、ポイ捨てを助長した!?

一言でいうと

みんなが大量にごみを捨てている、という広告を流すとポイ捨てが増加した

活用シーン

行動マネジメント

内容

・単純にポイ捨てを非難する広告
  →ポイ捨てを抑制
・同様の広告に「アメリカ人はかつてなく大量のごみを捨てている!」という文言を加えた
  →ポイ捨てが増加した

別の実験ではこんなものもある。
ペトリファイドフォレスト(化石の森)国立公園から大勢の観光客が木材を盗んでいることを非難する看板を作った。

看板がない場合 10時間で木材の3%が土産として盗まれた
警告の看板を設置 盗まれた数が3倍近い8%に増えてしまった

いずれのケースも「みんなやっている」という集団規範を想起させた結果だという。「みんながやっているなら自分もいいのでは?」という思いは意識的には感じていなくても、無意識の行動に現れる。

『しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』
レナード・ムロディナウ (著)

今回のお話は、公共広告がことごとく逆効果だった事例です。
要は、警告において、「良し悪しは置いておいて、みんなやっているという事実がある」ということを知らせる文言や画像があると、人は、「自分一人増えても大丈夫」という無意識に行動が支配されるのかもしれません。

例えば、会社や学校の中で、何かを禁止したいとき
「最近〇〇のようなことが増えていますが、絶対にやってはいけません」
等といってはいけないようです。
そもそも「増えている」といった時点で、「やってる人はいっぱいいる」ということを無意識に刻み込んでいるようなものです。


最近、「煽り運転」に関するニュースが多いのですが、ああいった映像を流すことで「自分だけじゃない」という情報を無意識に送り込んでいる可能性も否定できないかもしれません。あ、俺だけじゃないんだ、と。

実は、自殺に関しては、その報道についてWHOにおいては厳しいガイドラインが設けられています。その理由はそういったことからなのかもしれません。念のため、転載しておきます。

メディア関係者のためのクイック・リファレンス
努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う。
自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない。
自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない。
自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない。
自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない。
見出しのつけかたには慎重を期する。
写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する。
著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする。
自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする。
どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する。
メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る。

WHO「自殺予防 メディア関係者のための手引き」(2008年改訂版日本語版)訳 河西千秋(横浜市立大学医学部精神医学教室)


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