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見知らぬ医師の指示で、致死量の薬を投与しようとした看護師21人/22人

一言でいうと

権威者の指示を、部下は疑わないことが分かった。

活用シーン

組織マネジメント、リスクマネジメント

内容

シンシナティ大学のチャールズ・ホフリングによる実験。

22人の看護師に電話をかけ、次のような指示を出した。
「医師のハンフォードだが、患者のカールソンさんに、
アストロ店という薬の処方をお願いしたい。20ミリ、4カプセル。私は10分後にそちらに行くので、その時に薬の指示書にサインするが、投与は初めておいてくれ」

箱には、アストロテン20ミリというのは明らかに致死量であることが書かれていた。そもそも電話での薬の投与の指示は禁止されているうえ、ハンフォード医師というのは看護師にとって見知らぬ声だった。

しかし、結果、看護師22人のうち、21人が実際に投与するために病室に向かったそうです。
注:実はアストロテンという薬は実在しない薬です。

世界最先端の研究が教える すごい心理学(内藤 誼人)

なかなか怖い話です。
要約すると、看護師は、明らかに致死量と注意書きのある薬を、聞き覚えのない「医師」を名乗る男の電話に従って、患者に投与しようとしたというのです。

これは個人的には、二つの考え方があるんじゃないかと思います。一つは、そもそもこの病院という組織が、完全なピラミッド型組織で、医師の考えに意見を挟む雰囲気がない組織だった可能性です。たとえば、NASAではそういった組織であったが故、スペースシャトルの事故発生原因を事前に察知していたのに、それが取り上げられなかったと言われています。

もう一つは、やっぱり人は盲目的に権威に従う傾向がある、ということ。ミルグラム実験が有名でしょう。

そういったことを含めて、風通しのいい組織を作るというのは企業にとっては大事なことと言えそうです。どんな意見を言っても尊重される。そういう空気を作っていくことが、上司の義務であり、最大のリスクマネジメントではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

そういう上司がいない、というかそういう役割を持っていると自覚している上司がいないのが、多くの企業の問題なのかもしれません。



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