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記憶は植え付け可能!?

一言でいうと

経験していない記憶を植え付けることは可能である。

活用シーン

記憶のあいまいさ

内容

熱気球に乗ったことのない被験者20人とその家族を一人ずつ呼ぶ。
家族にはコッソリ、被験者が4歳~8歳のころに起こった、ある程度重要な出来事の最中の被験者をとらえた写真を3枚提供してもらった。

さらに一緒に提供してもらった何枚かの写真を使い、「被験者が熱気球にのっている」偽写真を作った。

被験者に、本物の思いで写真と偽物の熱気球写真の両方を見せた。
被験者にはこの写真について、
①写真の場面について思いだすよう指示
②必要であれば考える時間を2、3分与え
③何も思いだせなかったら、目を閉じて写真に写っていた自分の姿を思い浮かべるよう指示

このプロセスを3日~7日の感覚を開けてあと2回繰り返した。
すると最後には、被験者の半数が「熱気球に乗った記憶」を思いだした
なかには、乗った時の感覚について詳しく話す人もいた。
写真は偽物だと告げられても、記憶のリアリティを訴える人もいた。

『しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』
レナード・ムロディナウ (著)

先日、「トータル・リコール」という映画を見ました。リコール社は「ワクワクするような記憶」を売っているそうな。そしてこの実験は、そんな大層な装置がなくとも、記憶を植え付けることができると証明した実験です。

その記憶がある、と脳が信じた時点で、その記憶が頭の中で構築されてしまうようです。このことは危うい部分もあって、例えば、犯罪の目撃者情報でも「明らかに間違っている記憶」が証明されることがあります。

たとえば、面通しにおいて人数合わせに用意した、警察が「絶対に犯人ではない」ということを”知っている”人を犯人だと指し示す人は20%~25%ほどいると言います。

人の記憶というのはそれほどあいまいで、うつろいやすいもの。
よく言われる「過去と未来は変えられないが、現在は変えられる」という言葉は間違いかもしれません。過去だって簡単に変えることができます。それは、自分が何を信じようとするかでいとも簡単に変わるのです。


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