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お金は助け合いの邪魔をする!?

一言でいうと

お金のプライミングを受けると個人主義が増長する

活用シーン

お金との付き合い方

内容

心理学者キャスリーン・ヴォ―スの研究。

被験者はいくつかの単語リストを見せられ、それを使ってお金に関わる表現を作るよう指示された。(たとえば、「高い/デスク/額/サラリー」から「高額のサラリー」)

さらに、
・おもちゃのお金をテーブルに積んでおいた
・スクリーンセーバーには水に浮かぶドル紙幣の画像を使う
といったお金に関係のあるものが無造作に配置された。

お金のプライムを受けた被験者は、受けなかったときより自立性が強まった
かれらは、難問を解くのにいつもの二倍もの時間粘り強く取り組んだ末に、ようやくヒントを求めた。
一方で利己心も強まった
他の学生の手助けをする時間を惜しんだ。

また、実験者が鉛筆の束を床に落としたとき、拾ってあげた本数が他の学生より少なかった。

同じシリーズの別の実験では、被験者は、「これから初対面の人と対談をするので、実験者がその人物を迎えに行く間に椅子を二脚用意するよう」指示される。するとお金のプライムを受けた被験者は、そうでない被験者より、二脚の間隔をはなした(118cm対80cm)。また、お金のプライムを受けた被験者は一人でいることを好む傾向が強かった。

『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』
ダニエル・カーネマン (著)

よく、営業の世界では、キャンペーンなどで金品を提供するから頑張れ、というマネジメントがあります。ニンジンをぶら下げる、という話です。

こういうことをすると何が起こるかというと、利己心が強まり、仲間との協力関係が希薄になる可能性があるようです。以前、成果報酬制度が取り入れられた企業の話がありましたが、社内モラルは低下し、ガタガタになったという結果を耳にしたことがあります。それはもしかしたら、こんな人間の特性から起こったことなのかもしれません。


さらに驚くべきことは、室内に無造作に配置された「お金をにおわせる情報」。これがどうやらその人の無意識に働きかけ、お金へのプライムを働かせていると考えられること。けっこう怖いですね。

よく、幼稚園では壁にいろんなものをペタペタ貼って飾りつけしてますが、無意識に目にするそんな飾りが、人の行動に影響を与えるわけです。家の中、会社のオフィス、何が置いてあるか、チェックしておいたほうがいいかもしれません。

こわいこわい。


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