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自分は数学が得意な人種である、と思いだすと、数学が得意になる

一言でいうと

自分の思い込みで成績が変わる

活用シーン

能力開発、マネジメント

内容

ハーバード大学における研究
数十人のアジア系アメリカ人女性に難しい数学のテストを受けさせた。
アジア人は数学が得意であると言われているが、
同時に数学が苦手といわれる女性という
二つの内集団に同時に属している人たちが被験者である。

被験者にはテストに先立って自分自身に関するアンケートの記入を促された。

Aグループ:親や祖父母の言語や、何世代前からアメリカに住んでいるかという、「アジア系アメリカ人」としての帰属意識を呼び覚ますアンケート

Bグループ:男女共同寮の方針などに関する質問をし、「女性」としての帰属意識を呼び覚ますよう工夫した。

Cグループ:対象群として、使っている電話やケーブルテレビといった当たり障りのない質問だった。

結果として、AはCより成績が良く、
BはCより成績が悪かった。


自分がどの内集団に属するかという考えは、自分の能力にさえも影響を与えるという結果が得られた。

『しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』レナード・ムロディナウ (著)

自分がどんな人間かというところを「アジア系アメリカ人」ととらえれば数学が得意で、「女性」としてとらえれば苦手になる。これは面白いですね。

自分がどこに帰属しているかという意識は思った以上に大事なようです。
たとえば、自分を「高齢者」と思えば、身体は高齢者としてふるまうのでしょうか。そういえばこんな実験がありました。学生を二つのグループに分け、与えた単語を使った作文を作らせます。片方のグループには、杖や白髪といった高齢者をイメージさせる単語を交じりこませておきます。そして、その後場所を移動してもらう速度を測ると、その高齢者をイメージさせるキーワードを使って作文した人たちは、彼ら自身の動きが明らかに緩慢になったと言います。

私たちは、そういった思い込み、しかも無意識による思い込みが行動をかなり支配していると言えそうです。それに本人は気づきさえもしていないのだから恐ろしいのですが。

ところでこの実験の前提になる「アジア人」は数学が得意という話。もし本当だとしたら、私たちは数学が得意なアジア人ということを思い出しつつテストに挑むといい成績がとれるかも!?


こういう心理効果を活用した事業承継についての本を書いています。


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