見出し画像

「本を出版します(^^)/」というとありがちな周囲の誤解

私の書いた本(一応ビジネス書の体を持っている)が本日、出版の運びとなった。Amazonではすでに予約が始まっており、順次リアルな書店にも配本されるはず。

実は先日、実際の発売に先駆けて、あるイベントで本を手売りする機会を得た。そこで、私の書いた本だと話をすると、たいていうまく話がかみ合わなくなる。まあ処女作でもあるし、同業の方が本を書くというのも非常にレア。そんなこともあって、どうも変な先入観があるようだ。

まあどう思われようが気にしない(←いや、かなり気にしてるからこんな記事を書いてるのだと思う)が、とりあえず釈明はしておきたい。

そこで、いくつか私が体験した誤解をご披露したい。

「どうせ自費出版だろ?」

圧倒的に多いのは、どうせ自費出版だろ?的視点である。
私は親の保険代理店を継いだ二代目。
そうすると、同業者で本を出版しているというのは非常にまれである。

わりと見かけるのが、セールスでトップになった人の苦労話列伝。
たとえばM生命トップセールスマン、N生命トップセールスレディと言った人たちのセールス本はいくつか見受けられる。
いずれも、何万人の中のトップの人である。

残念ながら私はそんな素晴らしい実績は残していない。

保険というのは営業ありきの世界なので、優秀なセールスパースンははいて捨てるほどいる。私である必然性は皆無である。しかも、セールス苦手だし。

となると、ネタは何を書くのか?という話。
保険の世界なので「リスクマネジメント」の学術的な話とか、金融の世界の話とか、FP(ファイナンシャルプランナー)的な話とか、そんなイメージがあるかもしれない。

そしてFP(ファイナンシャルプランナー)の世界には、実は自費出版の文化がひっそりと浸透している。自分一人で自費出版となると費用がかさむので、何人かが共同で執筆者となり、お金を出し合う自費出版である。

これは目的が明確で、顧客に対するブランディングである。書店で売るというより、自分で買い取って名刺代わりに配るパターン。
私のいる業界で出版となれば、このイメージが非常に強いと思う。

しかし、断固否定する。
今回は、自費出版ではなく、商業出版である。

「人生の節目として?」

人間トシをとると、何かと自分が生きてきたあかしを残したくなるもののようだ。そもそも、自分が何のために生きてきたのかを、問いたいのだろう。

私もちょうど50歳なので、中には「人生の節目として、何かを残したかったのだろう」という目で見ていた人はいたように思う。そういえば、同じ業界の人の中では、自分の趣味で、学んだことを本にまとめたり、自分の専門分野をより学術的に深めて本にまとめたりした人がいる。しかし、私の知る限り、彼らは自費出版である。

ここで自費出版とその反対と思われる商業出版についてしるしておく。
自費出版というのは、著者が「本を書きたい!」という思いを出版社にぶつけ、作成を依頼。製作費を著者が支払って出版されるものを言う。本の形態で印刷し、本屋などへ流通させることも出版社によっては可能だが、それに応じて相応の費用が掛かる。

目的は大きく二つに分かれていて、一つは自己満足。
そしてもう一つは、お金をかけてでも広めたい知識や知見がある、という思いであろう。

普通の商業出版と変わらない形で流通させるには、聞いた話では500万円とも700万円とも言われる費用が掛かるそうだ。もちろん、さほど広めたいという思いが強くなければ、数十万円台から印刷することは可能。

一方、商業出版は、形式としては出版社が著者に頼んで書いてもらい、制作や販売は基本的には出版社が責任を持つ形。これはベテランの人気作家と、今回の私のような無名の人間の処女作では、細かな部分で扱いは変わるものの原則はそのような流れである。

世間で有名な人には、出版社から「こんな企画で本を書きませんか?」というオファーもあるようだが、私は違う。ざっくりいうと「こんな企画で本を作りませんか?」と出版社に提案した形だ。しかし、契約上は出版社にコンテンツを提供し、そのコンテンツを利用して出版社は本を刷る、という形態。

つまり、商業出版は公共性が高いので、それなりに社会に受け入れられる前提がなければ成しえない。(売れない本は、出版社は出版しない)

何が言いたいかと言えば、商業出版であるが故、
今回の私の本は自己満足的「人生の節目本」ではない、ということだ。

「自分自身の体験談でしょ?」

その次にありがちなのが、自分の体験談。
その中でも最も退屈なのが自叙伝(苦笑)

実は体験談は書きやすい。
たとえば、前述の「セールス本」には体験談の本が多い。
こんな苦労をして、こんな思いで、こんな風に顧客に正面からぶつかったら、ある時を境に売れるようになりました!
まあ、だいたいそんなストーリー。

セールス本だけではなく、スポーツ選手、アイドル、大物経営者などはこの手の本が多い。
こういう人は、たいてい物語として語る価値のある経験をしているものだ。そして大抵、挫折経験は半端ではない。

読み物としては面白いこの手の本は、著者のキャラクターが命だ。
有名人やとんでもない成果を残した人だから成立する話。
あるいは12階から飛び降り自殺したけど死ねなかった人や、
臨死体験をして目覚めたら末期の癌が消えていた人や、
アウシュビッツの収容所から生還した心理学者や、
変な商売がうまくいった人、
といった人生の起伏が激しすぎるほど激しくて、はじめて成り立つのだ。
私のように、しがない一経営者の人生など、人に読んでもらうほどの価値はない。

そのことは十分自覚している。
確かに読み物として面白おかしく書くことくらいはできるかもしれないけど、それを世に流通させる価値があるとは思っていない。
だから、私が書くとしたら、
キャラで売れるわけでもないので、そこそこ再現性のあるものでなければならない。

「再現性があることを書いています」

さて、そんな誤解の眼をすり抜けて、私がこの本を書くことに対してそれなりに気を付けたこと。
それは、「再現性」です。

自分自身の経験談で終わらず、誰でも再現できる方法を、自分なりに追求し、考え、その道しるべを記しています。
単なる体験談なら、5年以上前の時点でネタは満載でした。
いま、このタイミングになったのは、5年くらいはよくなってきた自分の立場を振り返り、それを誰でも再現できる形でお伝えすることにこだわったからという部分があります。

読んでみて、「なんじゃこりゃ?」と思われる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。それはそれで仕方がないことです。
しかし、最近思うのです。
真理ほどシンプルなんじゃないか、って。

ま、そんなこんなで、読んでもらえると人生の記念碑本でもなければ、体験談本でもないことがわかっていただけるんじゃないかと思います。

よかったら、お手にとっていただけると嬉しいです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

頂いたサポートは、日本の二代目経営者のこれからの活躍を支援するために使わせていただきます。

今日が良い日でありますように(^^)/
5

田村薫

父の会社を継いだ二代目社長。 同じ境遇の人たちが身体を壊し親の会社を辞める事例を見た。 原因は親子の確執。原因を解明し、二代目専用コミュニティを通じて、中小企業の二代目が活躍できる状態を目指して活動中。 著書『親の会社を継ぐ技術』https://amzn.to/2JzrqcT
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。