作品を生み出すとは?

悲しいニュースが入ってきた。
『セクシー田中さん』の原作者さんが亡くなられたそうな。
ドラマでの原作無視が耐えられなくなり、最終話の9.10話を自ら脚本を描いたそうな。
その事を脚本家はインスタで、最終回は素人が書いて自分は感知していない。と言った内容のコメントで発表している。

きっとSNSの声が心にキツくて耐えられなくなったのだろうなぁ。
周りに味方はいっぱい居たと思うけど、漫画家は基本1人で家の中でアイデアと作品を生み出すから。たくさんのアイデアの中から,一番最適だと思う道を選んで作り上げる。こうしてみたら、この可能性は?これをやりたかったけど、と様々な可能性ともしかしたらを苦しみながら切り捨てて、最善だと信じて作り上げる。
何も無いゼロから1を生み出すのは本当に苦しくて辛い。必死で作っても批判は当たり前にされるし、ネットだと何故か小汚い言葉で攻撃される。自分には面白く無い。と言う理由だけで。その人以外は楽しんでいるのに。

ただ、作品は評価される物だから、批判されても受け入れられる。
でも、自分の生み出した作品が、同じ作品として、全く別物になったり、自分の一番嫌な方へ解釈されるのは耐えられないよなぁ。

別媒体なんだから、違う表現になるのは当たり前だし、それくらいは誰でも思っていると思う。では、何故放送中から今に至るまでのトラブルが起き続けたのだろう。
人々を楽しませるための作品で、ただ数字やお金を稼ぐための道具としか思っていない人達が居るからだろうとも思う。

俺は自分の本を渡すときは、好きに書き直してくれていい。何なら全然別物になってもいいし、使わなくてもいいよ。と言って渡す。現場に立ち会えない以上、そこでの様々な理由で変更は必要だろうから。
でま、古い人間だから、やはり礼節はとても大切だと思ってて、そこを平気で踏み躙られると流石に声を上げる。普段、あまり怒ることも、こだわる事も無いけど、一緒に仕事をする上で礼節を持たないならやりたく無いからだ。

先日も久々に礼節を踏み躙られた。
その仕事を受けるのやめようかとも思った。
相手はその後、結局一度も謝罪の言葉を吐かなかった。
ヘラヘラと『そんなつもりはなかったんですよ』と言って自分の作業やスケジュールの事しか考えていない。
そんな事は百も承知で、問題なのは「そんなつもりがなく、そんな事をした事」なのだ。
人が謝らない時は、自分が正しいと思っているか、謝ると負けだと思っているか、適当に誤魔化せば乗り切れると相手を馬鹿にしている時だけだ。
きっと、相手にとっての俺はその全部なんだと思った。
今まで必死に考えて色々調べて図面引いて資料を揃えてたのが馬鹿らしくなったので全部やめた。
やる気が一気になくなったからだ。
それも伝えたけど、受け流されたので、何でもいいんだなと思った。
彼はとにかく自分の都合だけを延々話してた。
アホらしくてなにもきいてないしおぼえてない。

別に面白い作品だろうが、そうじゃなかろうが、お客さんが楽しめ様が、つまらなかろうが、適当に作ってお茶を濁して、それなりの役者集めてある程度黒字になればいいのだろう。
と感じた。

受けるかどうかは正直分からない。
俺がわがまま言えば、関係者に多大な迷惑がかかるけど、それは最高責任者との関係だから知ったこっちゃ無いっちゃない。
普段、他のスタッフや役者間では、俺は特に問題を起こさない様に仕事をこなす。
なるべく楽しく皆んなで仲良く、それでいて最高の作品を作りたいからだ。

どうするかなぁ。

クリエイターは感性で生きてて
プロデューサーは金で生きているので、基本的に思考がわかりあう事は無いと思う。
今まであったプロデューサーも、対外、作品の内容なんて全く興味無かったから。
あるのは動員と収入、話題性だけ。
作品がつまらなくても客が入って儲かるなら関係ないのだ。
そんな人間はごまんといて、そんな人間だから商売が上手いのだ。

クリエイターは商売下手だからねー。

芦原妃名子さんのご冥福をお祈りします。

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