母の話

母は良くも悪くも本当に放任主義で、娘達には何の興味も関心も示しませんでした。
あー母も大変だったんだろうなーと今でこそ思えますが当時は、何故子供なんて産んだんだろうと不思議でした。

両親は離婚しており今は私と夫と息子が住む家に母も一緒に住んでおります。
私が小学生の頃ポケモンのゲームが流行り、私も親戚のおじさんに買ってもらい四六時中遊んでいました。
学校から帰って寝る直前までゲームをしていました。宿題もせずに。
その事を今母に話すと、「え?そうだった?ゲームなんてしてた?」と言うのです。
娘が1日中ゲームをしていた事を母は知らなかったのです。興味がないから。
どうりで怒られないわけですよ。
1日1時間だけよ!とか、休みの日だけにしなさい!とか、宿題終わってからにしなさい!など母親なら言うであろう事を一切言わなかったのは優しさでも何でもなく、娘がゲームをしている事自体知らなかったからなんですねー。
母の居るリビングで普通にゲームしてたのに。
ほーなるほど!知らなかったのか!
と無駄に納得いたしました。

こんな扱いなのに私は母が好きで、母の日や誕生日などには少ないお小遣い全て使い、母の好きなビールやタバコを毎年プレゼントしていました。
あーありがとー。ぐらいの感謝しかされませんでしたが、特になんとも思わず毎年渡していました。
姉は華麗にグレたので母にプレゼントをあげる事なんて一度もなかったのですが、非行もおさまり少し落ち着いたかなって頃に、母の日のプレゼントでカーネーションを数本買いリビングのテーブルに置いておいたそうです。
母はとても喜び、お姉ちゃんがカーネーションくれたよ!と嬉しそうに何度も私に報告してきました。
私はまだ中学生なので、いつも通り少ないお金でタバコを買ってあげたのですが、そんな物要らないんですよねー。
グレて散々迷惑かけた姉の、初めてのカーネーション数本には何も敵わないんですよ。
15年は経った今でも母は言います。
お姉ちゃんは昔カーネーションをくれたって。
私は去年も一昨年もその前もカーネーションの鉢やら枯れないようにプリザーブドフラワーやら贈っているのに、やはりあの時のカーネーション数本には敵いません。

そう思うと、母は私にだけ興味がなかったんだな〜と気付いたりなんかしちゃって。

私めっちゃ可哀想な子やないか!
父にも母にも...
もうやめよう。言うのやめとこう。
よく強く生きたわ。偉いわ。自分最高に偉い。
褒めときますわ。誰も褒めてくれへんから。

母は、温かい料理を食べさせてたら子供はグレない!と思い込んでいて、非行少年の話などをテレビで観ると、温かい料理をお母さんが作ってくれなかったんじゃない?!と言います。
しかし我が家は温かい料理が出てきたのに姉はグレました。
なぜなら、温かい料理しか出てこなかったからです。
出来立ての料理を出せばいいって問題やないねん。
温かい料理には愛情ものっけとかんと意味ないねん。
あなたは料理作って出すだけ!愛情が欠けてたの!と毎回心の中で思います。
温かい料理を食べさせたらグレないよ!と言われるたびに、姉ちゃんグレたやん。と言うと、黙る母を見て楽しむ日々です。

ご飯さえあげれば子供は育つからね〜と昔よく母が言っていましたが、そりゃ育ちますよ。
花だって水やれば育つし犬だって餌やれば育つしミミズだってオケラだってアメンボだってね。
愛情が無いから子供は寂しくてグレるのに。
そんな母も孫には甘く、私がちょっと息子に冷たく接すると、まあ可哀想!などと言ってきます。
どの口が言う?!?!?!とパニックになりますわ。
私はこの8億倍あなたに冷たくされてきたのに!

愛情ってとっても大切なんだなーと両親から教えてもらいました(^^)

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