「人間臭い」作品に惹かれる最近

半年ぶりぐらいに、note書いています。今書こうと考えたのは寝付けないからです。早い話深夜テンションです。(書き始めた時は深夜4時半でした(笑))

最近、「人間臭い」漫画やその登場人物に惹かれています。

まず、「人間臭い」を国語辞典で調べると「人間らしさ」と出てきます。では、「人間らしさ」とは何でしょう。明確な答えがあるわけではありませんが、僕は「機械とは違って複雑で多様な感情を持ち、かつ、動物とは違い理性を持ったうえで行動する」ことだと考えています。そんな「人間臭さ」を持った作品・キャラクターに惹かれるのは、たとえ不器用だとしても、自分の中に強い信念を持って行動に移せる人々に自分を重ねたり、憧れを抱いたりしているからだと思っています。

もともとそういう作品は大好きです。でも、最近改めてはまるようになった理由は、自身の中で将来に対する不安であったり、芯が明確に定まっていないからだと、恥ずかしながら感じます。「このままでいいのか」とネガティブに考えてしまうからこそ、1本の軸が定まった漫画のキャラクターに改めて「魅力」を感じるんでしょう。

暗い前置きになりましたが、そんな私が悩んだ時に勇気づけられる「人間臭い」漫画を紹介します。

イキガミ

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2005年から2012年にわたって連載された漫画です。全10巻です。ある国では、「国家繫栄維持法(国繁法)」という法律がありました。その法律は、1/1000の確率で選ばれた18歳~24歳の青年を決まった日時に死亡させるという方法で運用されていました。この法律の目的は国民に「生命の価値」を再認識させることで国を豊かにするというものでした。これは、自分もいつか死ぬかもしれないから、日々を大切に生きようと意識して生活する国民が増え、結果的に生産性が上がるということです。

そのような法制度の下、1/1000の確率で選ばれた者には、死亡日時の24時間前に「逝紙(イキガミ)」という死亡予告証が届けられます。この作品は、そんな1/1000の確率に選ばれ、「イキガミ」が届けられた人々19人の最後の1日を描いた作品です。

イキガミを貰ったほぼ全員が「逃れられない死」を受け入れられず、自暴自棄になったり、大人や社会に抑圧された「自分の人生の意義」を問い直したりします。そんな中で、全ての登場人物に共通していたことは、「自分に嘘をつかず、感情に従った行動を最期まで行った」ことです。目の前に死が迫っているという極限の状況で、あふれ出る感情に押しつぶされそうになりながらも、理性を保ち自分の芯をぶらすことなく行動できる登場人物たちにはその中でも特に魅力を感じました。

中には、理性を失い犯罪を犯す者もいました。もちろん犯罪や悪事は決して許されるものではないし、前提として、このような人は素晴らしいとは思いません。ただ、何も考えず日々のタスクに追われて消耗していく機械的な人間よりも「人間臭さ」のかけらを感じました。

理不尽な法律に翻弄されながらも「人間臭さ」を持ったまま死に向かう若者たちの最後の1日を描いた作品に、心を突き動かされます。是非読んでみてください。


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