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新型コロナウィルス回復者血漿研究に参加(依頼)しました

不肖からふね、新型コロナウィルス罹患でそこそこ苦しみました。
詳細はこちらでお読み頂くとして……
幸いながら後遺症はなく、罹患前とほぼ同じ日常生活を送っております。

とはいえ、家族や友人、職場の方々に多大な迷惑をかけたのは事実。
個々人へは別途フォローするとして、何かこの経験を具体的に活かせる方法はないものか、と考えていたのです。

ある日、Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れて来ました。
神奈川県平塚市にお住いのはんこ職人、「あきさん」と仰る方のツイートです。

上記ツイート内にあるURLをこちらにも貼っておきます。

サイトの冒頭にこう書かれてあります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した方の血液中の抗体を測定し、抗体が十分ある方に血漿提供をお願いする研究を東京都、大阪府、愛知県の3都府県の医療機関で実施しています。
いただいた血漿は、今後感染した方へ投与したり、抗体を濃縮して薬剤製造に使用します。


抗体(こうたい)とはウィルスに感染した人の体内に出来るたんぱく質で、このうち、中和抗体(ちゅうわこうたい)はウィルスの働きを抑え、感染を防ぐ力があるとされています。この仕組みが免疫(めんえき)です。
因みに、接種することで免疫を意図的に体内に発生させ、ウィルスへの感染を防ぐものがワクチンです。
人間の血液を構成するもののうち、55%を占める液体物質が血漿(けっしょう)です。新型コロナウィルスに罹患して回復した人の血漿には、ウィルスの抗体が含まれています。
この血漿を採取することで、ウィルス感染者に投与することや、抗体を濃縮し薬剤製造に使用することが可能になります。

上掲のツイートを目にした瞬間、これだ! これに参加しなくては! と強く思いました。
少なくとも、今回迷惑をかけてしまった人達への「罪滅ぼし」になるのではないかと考えたのです。随分間接的な「罪滅ぼし」ですけど、やらないよりはマシかと。

研究参加の内容は以下の通りです。

1. 事前に医師との面談を行う
2. 採血し、血液中に新型コロナウィルスの抗体があるか検査を行う
3. 抗体が十分あった場合、血漿を採取する

そんな訳で、大阪府泉佐野市にある「りんくう総合医療センター」まで赴き、事前面談と血液検査に行って参りました。

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入口で検温と手指のアルコール消毒を済ませて屋内に入ると、飛び込んで来たのはこの看板。
ここでもワクチン接種しているんですね。

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予約時刻より随分早く着いてしまったのですが、職員の方に早速案内してもらいました。
院内の通路をあちこち歩き、通されたのは小さな部屋。
折りたたみ椅子に座って待っていると、一人の男性医師が現れました。この医療センターで感染症センター長を務めておられる倭正也(やまと・まさや)医師です。しばしばテレビにも出演しておられますね。
会うなり「わざわざお足元の悪い中ご足労頂きありがとうございます」と頭を下げられました。こちらはある種の「自己満足」で希望したのに……と少し申し訳なくもなったのですが。
罹患中の症状、現在の体調、家族のことなど色々お話したのですが、丁寧に、そして柔和にお聞き頂きました。終始とても腰の低い方でした。
そして、かなりお疲れのようでもありました。事実上の医療崩壊となっている大阪で、現場の最前線に立たれている訳で当然なんですが。

血漿研究の概要が書かれた説明文書はこんな感じです。

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この他、問診のためのアンケートや、血漿提供の同意書について記載を求められました。

面談の後、事前の血液検査のため採血に向かったのですが、その道すがらでも倭医師の院内PHSは鳴りっぱなし。
医療従事者の皆さんの奮闘ぶりには頭が下がる思いです。

タイムリーかどうか分かりませんが、こういうニュースが飛び込んで来ました。
このりんくう総合医療センターの看護師さんら155人が未払い分の賃金を巡って病院側と争っていましたが、解決金支払と環境是正の同意が得られたとして、和解したそうです。

この和解もそうですが、心身面でも、そして待遇面でも、医療従事者の皆さんの負担が少しでも軽減される状況に向かうことを願うばかりです。

話を戻します。
採血の部屋で、倭医師とはお別れ。
去り際に「またお会い出来るのを楽しみにしています」と言ってくださいました。
本当、そうなればいいな……

採血自体は数分でしたが、献血の時よりは多く採取されました。水分補給せんとな。
検査結果判明には約1ヶ月程度かかるとのこと。私の場合だと6月中旬以降になるかなと。結果次第では血漿採取には至らないかも知れませんけど、その時はその時。

さて不躾ですが、この記事をお読み頂いている皆さんにお願いがあります。
この血漿研究のことを是非皆さんの周囲に広めて頂きたいのです。
ご自分が罹患して回復された場合は勿論、ご家族やご友人、お知り合いに罹患して回復された方がいらっしゃる場合でも、広く知らせて頂きたいのです。
現在やっと接種が進みつつあるワクチンだけでなく、こういった研究が進むことも、新型コロナウィルスの克服に繋がるのではないでしょうか。

あなたから採取した血漿で、誰かの命が助かるかも知れません。
何卒、よろしくお願いいたします。

(2021/06/20 追記)
検査結果が判明しました。
私の抗体価は基準値に達しておらず、血漿採取の対象外と判定されました。


残念ではありましたが……
罹患した人で抗体価が基準値に達する確率は1/6とも聞きますのでね。
でもいい経験をさせて頂きました。

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