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長屋再生複合店舗「惣」

からほり倶楽部初代理事である山根秀宣さんの会社、山根エンタープライズのホームページに掲載されている「惣」の由来やオープンまでの流れの情報を転載しております。(ほぼ山根さんの文章そのままです)

あくまでも記録用ですので、現在とは店舗状況がことなっておりますのでご了承ください。

「惣」名称の由来

長屋再生複合ショップの名称、「惣-so-」(”そう”と読みます)は
江戸時代の大坂の「町衆」の自治組織を意味しています。

また「空堀(からほり)」の名の由来となる豊臣大坂城の南惣構堀(みなみ・そうがまえぼり)は、惣堀とも呼ばれ、まさに惣前のクランクあたりを通っており、その意味での「惣」でもあります。

2006年OPENした惣南長屋には、大坂冬の陣の際に惣堀に設置された「木柵」が再現されています。

2002年(平成14年)7月19日(金)築90年を超す長屋2件を5つの店舗に。
長屋再生複合ショップ 惣so OPEN!

2006年(平成18年)10月8日(日)南隣の民家が4つのお店のANNEXに。
惣 南長屋 OPEN!

改装前の惣

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この長屋は、傾き、雨漏りもひどく、前入居者が退去したのを機に、潰して駐車場にされる寸前だったものです。一旦からほり倶楽部が借り切り、補強や雨漏り修理をした上で小さく区切って転貸先を募集するという形で大家さんに理解を求めました。

改装までの経緯とオープンにあたり

からほり倶楽部 山根秀宣(大阪まちプロデュース)さんが当時ホームページに掲載しておられます(平成14年7月19日付)

我々からほり倶楽部は、からほり商店街界隈長屋再生プロジェクトとして、平成13年4月正式に発足以来、この界隈の魅力をワークショップを開いて研究したり、長屋や民家の空きスペースを見つけては、建物やこの地域に魅力を感じる多くの人達をご紹介してきました。また、平成13年11月にはこの界隈一帯の路地や民家のスペースに、アート作品を展示するイベントを行ないました。これは又平成14年10月に第二回も行ないます。
それらはこの地域が持つ魅力的な雰囲気(坂・石畳・長屋・路地・・・)があったからこそできたもので、我々も又この地域の魅力をもっと伸ばしたい、又皆に知ってもらいたいと考えてやって参りました。

さてそんな中、平成14年3月、からほり倶楽部の代表理事六波羅さんが偶然この前を通りかかったところ、家主さんがこの2軒を取り壊して駐車場にする、まさその打ち合わせをされていました。というのも今年2月頃まで居られた古おもちゃ屋さんも、あまりに雨漏りがひどいので出て行かれ、建物も老朽化がひどく、傾れたら人様に迷惑がかかるから・・・ということでした。
私は本業では不動産の大家業をしていて、六波羅さんが建築家として商業店舗の経験があることでふたりで急遽企画書を作り、家主さんのところに持っていきました。
・基本的な条件として、普通の家主さんが嫌う転貸をOKしてもらわないといけない。
・来る人も商業主義というより、この場所や風情に魅力を感じてくる、商売が初めての人 を想定して、修理工事が完了して営業できるまで家賃を抑えたい。でも家主さんは承諾頂きました。
詳細を詰めて正式な契約書ができるまでに、説明会を開いたりここの入居者をインターネットで募集しました。
そこには最重要事項として「最終的にお貸しできるかわかりません。」と書いたのに多くの応募があり、この時代にあっという間に5軒が決まりました。
その後正式な契約ができてから、オープニングイベントのスタッフも募集したところこれも多くの応募があり、毎週ミーティングを重ねました。
今日、明日、明後日と3日に渡り活動していただきます。
建築工事は、屋根が想像以上に腐っていたことなどで、工事費が当初予定の倍と莫大にかさむ中、六波羅さんの驚異的な遣り繰りと、工事会社のビジネスを遙かに超えた努力で、
さらに完成間近に出会って、いきなり表の造園をして頂いた和想さん初めいろんな幸運のおかげでここまでやってくることが出来ました。

私達はお金もありません。デベロッパーみたいな経験もありません。
しかし私達には、この地の持つ魅力的な雰囲気をもっと伸ばして、また皆に知ってもらいたいという志があります。
それは我々からほり倶楽部だけでなく、さまざまな場面で力になっていただいた方も又そうだと思います。
又、建築途中で声をかけて頂いた近隣の方々もそうだと思っています。私達もそういった人達から力を頂いてここまでやってこれました。


オープニングイベント&式典次第

式典 7月19日(金)
   13:00 神事(高津神社)
   13:30~挨拶 からほり倶楽部 山根秀宣
   ・感謝状贈呈 MyDo建築工房 山本様
   ・鏡割り  音頭:からほり倶楽部 代表 六波羅雅一
   14:15~各店営業・イベント開始

イベント 7月19日(金)~21日(日) 11時~19時 (19日のみ14:15から)

19日 振舞酒 (19日先着100名様) & お菓子まき (お子様のみ)19・20・21日の3日間 随時
ちんどん屋19・20・21日の3日間 各ショップ・オープニングイベント
ペットグッズ・輸入雑貨《笑犬笑人》 では 『かき氷』
あぱれる・和雑貨《我趣 WARE-SHU》 では昔懐かしい 『ラムネつかみ取り』
カフェ・雑貨・ギャラリー《CRYDDERI CAFEクーデリーカフェ》 では
COZY TOMITA(東元光児)氏個展『School Day's』 開催(8/6迄)
 占い・ヒーリング《Nakaya R.A.F.T House》&昭和雑貨《そわか》では
19日『オカリナライブ』開催 20・21日『moving bar CAMP』登場

惣の特徴

・ふつうの民家でなく、本当の長屋を再生した。お隣もつながっており、傾いたのを個別に直すことができず、再生した現在もよく見れば北(右)に10度ほど傾いています。これも古い長屋の現実なのです。でも複合店舗にするに当たり、構造設計の方に見てもらって屋根を軽く、トイレ階段周り(センターコア)の壁を巨大な柱のように強靭にしています。
・建物の特徴としては、坂道に面している為、長屋なのに正面が段違いになっている、ちょっと珍しいツクリが惣の目印です。縦横に坂があるのは空堀の特徴です。
・そんな惣が先駆けとなって、練、萌へとつながって行きました。
・とっても急だった長屋の階段の付け替えは、建物の傾きもあって大変!2003年夏に付け替えた際の費用は当時2階にいらしたレモンドロップ荻野さんが中心となってフリマで稼いだ (汗)そこで売ってた商品もご近所からの「これ出しとき!」って寄付でもあります。

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(改装当初の階段→2003.8.23.リニューアル)

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(2006年当時の店舗状況)


現状は惣テナント会ホームページをご覧ください

所有者・経営者・管理者の経緯

六波羅・山根で企画書を持ち込んで、大家さんからからほり倶楽部代表六波羅雅一氏名義で賃借して経営(からほり倶楽部に法人格が無いため)管理運営は山根エンタープライズ(株))その後経営を六波羅真建築研究室と山根エンタープライズの共同経営に。収益金からからほり倶楽部の運営費を捻出するのは継続。
惣の南隣の民家(別の大家さん)を長屋すとっくばんくねっとわーく企業組合(からほり倶楽部の事業部門を法人化したもの)で賃借して経営開始。(建築設計は六波羅雅一氏)管理運営は山根エンタープライズ(株)

2009年 惣北長屋(本館)について大家さんが他の物件とまとめて売りに出すのに伴い、山根エンタープライズ(株)がまとめて買い取り、単独経営・管理に。収益金からからほり倶楽部の運営費を捻出すること、景観は六波羅氏が監修することは継続。

お向かいのデッシャロさん

平成14年7月のOPEN翌月、お向いに同様に古民家を再生したパブ・デッシャロがOPEN。こちらはオーナーさん自らがフルセルフビルドでのリノベーション店舗です。お店の由来は、「そうでっしゃろ!」(大阪ことばで「そうでしょ」の意) とのこと。

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