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あんな夢こんな夢いっぱいあるけど

のび太という生き方、読了。面白かったですよ。

読んでいて思ったのが、ドラえもんの歌詞。
あ、私は平成生まれなので、アッタマテッカッテーカーではなくて、
あんなこといいな♪できたらいいな♪の世代です。

『あんなこといいな、できたらいいな、
 あんな夢こんな夢いっぱいあるけど』

という歌詞でスタート。あんな夢こんな夢いっぱいある、ですよ
開始2フレーズ目。
当時は当たり前に聞いていましたが、今聞くと、なかなか希望に溢れた歌詞じゃないですか。

で、あんな夢こんな夢いっぱいある中で
最初に願ったのが

『空を自由に飛びたいな』

です。
大金持ちになりたいでも、石油王と結婚したいでも、田園調布の土地が欲しいでもなく、ただ「空を自由に飛びたい」です。
すごく平和な、微笑ましい夢。それでいて、言われてみれば誰もが「確かに」と納得して、共感してしまう夢。

ちょっと話が逸れますが、森博嗣先生の小説『スカイ・クロラ』が好きで、シリーズ全巻読んだのですが、この小説の中で、主人公はただひたすらに、空を飛ぶことを生きがいとしていて、空を飛んでいる間だけが自由で、地上のどろどろした嫌なことをすべて忘れさせてくれる、と表現されています(残念ながら戦闘機は燃料が切れると地上に戻されるのです、これを「リードに繋がれた犬のよう」と表現していて、的確だなぁと思っています)

なんやかんやで、人々がみな思い描いていて、
実現されたかのように見えて、まだ、手が届かない夢。
「空を"自由に”飛びたいな」という、的確な夢を持ってきて

それをドラえもんは『はい、タケコプター』と、いとも簡単に実現してくれる。それだけでもう、視聴者である我々は、この青いやつすげーとなるわけですよ。

で、そんな夢を果たしたのび太君(と思われる歌い手)が何を言い出すかと思ったら、『とっても大好き』ですよ。
あんな夢こんな夢いっぱいあって、その中でも「空を飛びたい」という夢をかなえてくれて、じゃあ他の夢も…とならないんですね。もう、ひとつ夢を叶えてくれただけで大満足。

これほど謙虚で、希望に溢れて、共感できる歌詞
それでいて複雑でなくて、30を目前に控えた、「のび太の銀河鉄道」を最後にドラ卒した私ですら、いまだに脳内に再生できる歌詞
ほかに、あるでしょうか。

ありました、アンパンマンもそうですね。横道横道。

今の時代。夢や希望を語ることすら憚られる時代、だからこそ、ドラえもんに教えてもらった様々なこと、くじけない勇気、戦う強さ、道具に頼らないか、道具を使いこなすための人間力、そんなものが大事なのかな、なんて
そんなことを考えながら、読み進めておりました。

なお私の夢は、過疎地で居酒屋を経営することです。
後にも先にも、これだけです。
過疎地で居酒屋という場所を提供して、人と人とをつなげて、盛り上げる。
ただ、その前にもまだまだやりたいことがあるので、もう少しアレコレやってから、夢を叶えたいですね。
まだまだ人生長いですから、焦る必要はないでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!