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終わりの始まり始まりの終わり『アポカリプト』

 いきなり南米文明。
 何言っているのかわかんねえ!

 そんなとんでもないエンタメ映画がある。
 ハリウッド映画『アポカリプト』はマヤ文明の崩壊を描くアクション大作である。
 先も言ったが全編マヤ語にて展開される

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 いや、本当に何を言っているのかわからん。
 なのに面白いという映画である。

(※一応字幕はありますが無くても問題なく面白いです。気になる方は吹き替え版をどうぞ)


 主人公たちは山奥で豚を狩っていた。
 ブタと言うかもはやこれはモンスターである。
 これを首尾よく罠とチームワークで討ち果たし、身体をバラして分け前を決める。

「お前はキン〇マ」
「またかよふざけんな! うちに子供ができないからって嫌がらせかよ!」

 激怒する巨漢は子供が出来ない事に悩んでいる。

「俺んとこは五人いるぜ」
「……食うわ」

「おい、なんならめっちゃいい薬あるぜ」
「マジかよ!」

 勿論大ウソでどえらい目にあう。
 主人公は出産を控えた妻と息子を持っていた。
 帰りしなに他部族に襲われたと思しき集団を見た時に警戒しておくべきだった。

 種なしと言われた男が非常時には最大戦力として奮闘するも圧倒的な多勢に無勢と奇襲により村は壊滅。
 主人公の妻と子は井戸に逃げ込むが主人公以下は囚われて都に向かうことになる。

 日照りのため太陽の生贄とされた主人公たち。慰み者にされ売られる女たち。
 買い手がつかず放り出されあるいは人間狩り遊びに供される。

 雨の中溺死と戦いながら出産をする母。
 敵を撒き、罠を仕掛け、森を味方に復讐し、妻の元に走る男。

 文明は内部から壊れるという。
 はじまりは終わり。終わりは始まり。
 始めるなら何かを捨てなければ中途半端になるように。終わらせるために始めることもある。

「あれはなにか」
「しらない」

 主人公たちの『終わり』が始まったのだ。新たな『始まり』とともに。

自称元貸自転車屋 武術小説女装と多芸にして無能な放送大学生