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建築と曳家(ひきや)

Written by オオクボ

こんにちは。オオクボです。

今年の3月にウィーンに行ってきました。ウィーンの中心街の建物は全て150年以上経ち続けているそうです。それは以前の景観を残し、街が市民に愛されるような取り組みを行ってきたそうです。

日本ではそのような古くからある建築はそんなにありません。今でこそ リフォーム リノベーション 知っている方も少ないかもしれませんが リファイン など建築を新しくscrap & buildするのではなく、使い続けようという流れが生まれてきています。最近ですが祖母の家にあった張板を使って机に変身させました。

その中でも特殊な手法として「曳家(ひきや)」という家を引く職業の方がいます。
名前の通り、家を移動させる技術を持った人たちです。
やり方として、対象建築物の基礎にジャッキを取り付け、鉄骨や木材など強固な材で固定し、移動させるといったいうだけだと簡単なのですが、そこには大変な労力がかかっています。しかし、新たな場所に家を新築で立てるより、家引きを行う方がはるかに少ないコスト、短期工事で済み、住み馴れ親しんだ建築を維持、保存することができます。

大まかに家引きをする理由として、区画整理によるもの、道路拡張によるもの、駐車場を作りたいなどがあります。
また、家を動かすだけでなく、回転させることも曳家は行っており、それは家の日当たりが悪かったり、家相(家における風水)などが悪かったりするなど様々な理由があります。

日本では弘前城を城壁の崩落から逃れるために安全な場所へと動かしていたりするなど、重要文化財の保存にも一役買っています。

https://www.youtube.com/watch?v=NcetoNW60TA ←弘前城天守曳屋 全工程(高所作業車から撮影)

このように新たなものを作り続けるのも大事なのですが、これまでにあったものを使い続け、1000年前の建築などがたくさん残り続けると、自分がこの場所にいたという証を残せるというのはロマンがありますね。

バイバイ!