一話たくさん見ました。(2019年夏クール前半)

2019年夏クール。一話沢山見てます。おすすめ順。

▼フジテレビ木曜22:00『ルパンの娘』

超面白い。シンプルに超面白い。突っ込みどころ満載の世界観、心から愛せます。突然始まるミュージカル、ロミジュリ演出、ぶっとんだ泥棒一族の破天荒っぷり。一歩間違えたらさむ〜いことになりかねない、となかなかな危機感を持って拝見しましたが、少なくとも我が家のテレビ前では(私しかいない)一歩も滑ってない!

ポジティブな「いやいやww」「おいおいww」「うそやんww」の連続に誰もがエクスタシーを感じられるはず。そして何より「ぼんやりお嬢様↔女豹泥棒」のどちらにもぴったりな深田恭子のルックスに拍手。これが沢尻エリカでは女豹に寄ってしまうし、お嬢様に寄ってもつまらない。美味しい深田恭子が見られる傑作になる予感に溢れてます。瀬戸康史って毎クール欠かさず見るけど、不思議とうざくないんですよね。シリアスもコメディもソツなくこなす器用さ。

とにかくテンション上げて当面ついていきます!わくわく!

▼フジテレビ月曜21:00『監察医 朝顔』


1話の時点では圧倒的一位だったのですが、2話でちょっとブレーキかかった印象。けれどもとにかく丁寧なつくりに好感を持てる月9です。「朝顔」のイメージにぴったりな、薄く青みがかった明るい映像がすごく好き。

法医学テーマでは一昨年の『アンナチュラル』が人気ですが、スタイリッシュにまとめていた『アンナチュラル』に対して、『監察医 朝顔』はとにかくリアリティと丁寧さに徹している印象。特徴的なのは意外にも解剖シーン。ドラマの解剖シーンって初めからきれいに順序立って「初めから答えが決まっている!」って感じにテキパキしている(だからこそかっこいい)印象がありますが、本ドラマの解剖シーンは違う。今までになく法医たちの手探り感が「生っぽく」伝わってくる。ほとんど内臓は見せないカメラ回しでありながら、一つ一つの作業を淡々と描くことで彼らの仕事をリアリティを持って伝える効果を持っているように思います。

作品全体にその「生っぽさ」は漂っていて、時任三郎と上野樹里の親子シーンなんて本当に日常そのものなのだけど、過剰なデフォルメがないながらに生っぽさを楽しめるよう、絶妙なバランスを保ってる。派手さは一切ないけれど、ぎりぎり退屈を避けるだけの小さな愛嬌を入れてくる。

そして何より、東日本大震災をとうとう真正面から描くようになったことが大きい。これに最初に挑戦したフジテレビ、というのは意義深いことのように思います。これが通底するテーマであるからこそ、手は抜けないだろうし、過剰な演出もしない、丁寧な作品になっているのでしょう。役者の演技も全員に丁寧さが光っていて心から信頼できる。

個人的には、震災のあった2011年放送の『それでも、生きてゆく』にて殺人犯とその父を演じた風間俊介×時任三郎が、震災を描く本ドラマに義理の父と息子(になるのかな)として共演しているの、凄く凄く感慨深い。坂元裕二ファンには伝わるよね……。

▼日本テレビ水曜22:00『偽装不倫』

杏の安定コメディ感。「全然モテない!」な役をやるときの杏って凄く可愛い。絶妙に嫌味がなくて、でもどう考えてもお綺麗。

結婚してないのに既婚者のふりしちゃったよ!この男は不倫だと思って燃え上がっているよ!つまり私に恋などしていないのだわ……。という設定。コメディと分かっていながらも、ちょっとだけ「うーん、切ないかも」と思わせる杏の表情が良い。あと、相手役ちょっと東出に似てない?笑

対で今後描かれるであろう、仲間由紀恵の不倫問題にじわじわ惹き込まれそうな予感。きっちり優秀完璧美人な姉が年下ボクサーに惚れ込んで……というエロエロな展開となりそうですが、仲間由紀恵って絶妙なキャスティングだなあと。特段感情移入するところはありそうにないですが、女二人の魅力合戦な感じで楽しく見るには良さそうです。

▼テレビ東京24:12『Iターン』

広告会社のサラリーマンが左遷された先は修羅の国だった!そのまんまの展開です。とりあえず設定で面白い。極道モノは単純に元々好みじゃないので、見続けないかなとは思うものの楽しめる第一話ではありました。ゆるふわ田中圭があんなに悪い顔するとは!それだけでも必見です。

印刷会社が泣きついてきて、突き放したら逆にヤバイことになった、という展開は広告会社ならではの苦しみと言えそうでなかなか楽しかった。ムロツヨシはムロツヨシとして安定のエンタメを提供してくれるし、うん、全体的に信頼に足るドラマだと思います。好みの人にはがっつりはまりそう。

▼日本テレビ木曜23:59『わたし旦那をシェアしてた』

旦那、死ぬところから始まるんかい。それだけでちょっと笑える。

死んじゃった旦那に駆けつける妻が何と三人。ぶっとんだ設定モノではあるものの、「事実婚だけど大丈夫、幸せ」を体現する三人の描き方がなかなか今風で興味を持てた。結婚しないでも信頼できるパートナーと生きてるのよ、なプライドの持ち方は現代独特と思うし、それを誇張しつつも嘲笑的に描くところまではいかないバランス感覚は良いと感じました。「妻1は私よね!」と競り合う様子はコメディとしてなかなかイケてるし、3億円を前にした女たちのヌメヌメ具合も笑える。とはいえどうだろう、今後どこまでリアリティのあるヒューマンドラマ感を出すのか、コメディに振るのか、面白そうではあるものの単に設定の面白さだけで突っ走るなら別にいいかなあ、と思う程度。とりあえず追いで2話は見ます。

▼TBS日曜21:00『ノーサイド・ゲーム』

日曜劇場の過剰演出が好きじゃないんだ……。と改めて再確認してしまった。第一話、これからストーリーが展開していく都合上仕方ないのだろうとは思うものの、ラグビー選手のことちょっと馬鹿にしすぎじゃないかな。という演出。ロッカールーム、裸でわーぎゃー喚き立てる脳内筋肉ロジックのかけらもない野郎共。という描き方にちょっと品性もリスペクトも不足ではと思ってしまいました。当然、ここから「そんなことなかった!」なラストに持っていくため、ギャップをつけるための演出なのでしょうが。

大泉洋のキャラクターも、やせっぽちのへなちょこ、ラグビーの悪口言いながら「本人たちには言うなよ!」と釘を刺す小心者、と描かれてるかと思いきや、ある日突然朗々と演説を始めてしまう(日曜劇場ならでは!)一貫性のなさにげんなりしてしまった。松たか子の強烈な妻キャラもちょっと気になりはするものの、そこまでの魅力は感じないし、全体的に「何だかなあ」な印象は拭えないまま。ラグビー自体はよく知らないながらに好きなんですが。もう見ないかなあ。

▼TBS火曜22:00『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』

我が家のテレビ前(私しかいない)ではもう滑りに滑りまくっていて見ていられない、という空気が流れていたのですが皆様はいかがでしょうか。

幽霊ぽよよ〜んのアニメーション演出、文字ぼわわ〜んの「諦観」浮遊、いずれもどうやら原作通りらしい。ゆえに原作ファンにとっては「まあ合格」な出来だったようです。どこまで原作通りに再現できるか、という評価基準においては。

でもドラマですやん。ドラマとしてクオリティの高いものを創るのがドラマの仕事じゃないのでしょうか……。心の声、ナレーション、文字での表現、これらはドラマにおいては「本当に上手に使わないと」ただただ安っぽくなるだけの、めちゃくちゃ難しい道具だと思うのです。残念ながら本ドラマでは完全にクオリティをぶっ壊す方向で道具を振り回しているようにしか感じられない……。それやっちゃだめなやつじゃん、つまんなくなるやつじゃん、笑えなくなるやつじゃん、が次々と襲ってくる気分になり冷え切る我がテレビ前。正直最後まで見るのもしんどいくらいつまらなかったです。元々石原さとみがちょっと苦手なのですが、こういう朗々女演説系の役は特に鼻についてしまって、演技力どうこう以前に気の毒な感じがします。脱落。

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