はじめに書かれるべき文言
はじめに書かれるべき文言が、パソコンを開くと既に画面の中に書かれていた。アイコンが明滅し、続きを書けといざなう様でもあるのだが、私はその続きに書くべき文言を知らない。部屋の中は冬特有の日差しの弱さと微小な埃のきらめきに満ちていて、まだきちんと朝起きたのかどうかという確信が持てない。起きてからパソコンを立ち上げたのには訳があり、昨日いくらのお金を使ったのかを記録するためと、眠りの中で錯覚と取り違えそうな記憶をより一層確定的なものへと変える為であった。 書こうと思えば、床に