語りたくなる曲「Trip Trip Trip」

#私の勝負曲

勝負曲なのかと聞かれると微妙ではあるのですが、ここ最近の中で色んな意味でとても感動した曲をご紹介したいと思います。ちなみに感動ポイントは曲だけではありません。そのあたりも含めて語っていきたいと思います。

『魔法陣グルグル』という漫画、アニメをご存知でしょうか?
この漫画に最初に出会ったのは、僕が確か小学3年生だった頃です。弟の友だちの家に一緒に行った時、その家にあったのです。

ファンタジーな雰囲気と独特な絵に惹かれて第一巻を手に取って読み始めました。表紙の絵とは裏腹にギャグ要素ばかりのストーリーにすっかりハマってしまいました。

今でも忘れないのは、この漫画で一番笑ったシーンです。ノコギリ山というダンジョンのボスと戦い始める直前の場面です。
ボスの知能が低くて台本を読むという演出があるのです。ダンジョンに挑む人は来ないと思って台本が適当に書かれていたのですが、実際に台本が読まれてしまうという事が起こるというものなのですが、台本のセリフが子供心をくすぐりまくってくれたんですね。

ちなみにこの漫画の主人公の設定は14歳くらいの少年少女なのですが、絵では幼児くらいに見えます。そんな可愛いキャラです。

ストーリーと世界観は80年代のドラクエ的な感じでRPGの王道なのかなと思います。近代西洋風な雰囲気で、魔王が存在していて冒険しながら成長し、剣と魔法で立ち向かうという感じです。
独特な設定としては、魔法を使う少女がミグミグ族という民族なのですが、この民族にしか使えない魔法があり、魔王はこの魔法によって封印されていたというところです。
そして、この魔法は使用者のメンタルに影響されてしまうのですが、その魔法の効果に主人公たちのボーイミーツガールも絡んでくるというのがメインのストーリーです。

はい。ここまで漫画のストーリーを語りましたが、この冒険のストーリーが始まる直前の女の子の気持ちを表現した曲がコレです。

魔法使いの少女ククリは、秘密の魔法を使える民族の生き残りとして、旅立つまで外界との接触を極力避けて生活してきました。このあたりラプンツェルを彷彿とさせますね。そう言えば作者の衛藤ヒロユキさんが別紙でラプンツェルの物語をこの主人公たちを使って描いていた話がありました。

それはさておき、外界との接触を断っていた少女が外の世界を夢見ているというシーンは作中に何度か描かれます。そんな少女が旅立ちを夢見ている気持ちや、そして主人公の男の子が突然現れて一緒に旅立つドキドキ感、未知の世界が広がっていくワクワク感、そういった気持ちがとても上手に表現されているのです。

イントロはサビから入るのですが、最初のピチカートは女の子の繊細なハートを表しています。外の世界への憧れと心細さが可愛らしく表現されています。そこへ食い気味にベースとドラムが入ってきます。男の子が現れ、まさに歌詞の通りフライングのように準備が整う間もなく出発するかのようなドキドキ感が味わえます。

Aメロに入る前のベースの跳ねるようなリズムがウキウキしながら走っているような疾走感を感じさせ、そのままAメロに突入します。
Bメロでは変調し、半音ずつ下がるベースとクラップ音などのパーカッションがまた食い気味のリズムで入ってきて、追い立てるように前進していく感じがあります。

小さな女の子のドキドキ感や不安な様子、期待に胸が膨らむような感覚や、覚悟を決める前のような雰囲気、色々な気持ちの変化を味わえる、そんな曲だと思います。この作品をよく理解して、しかも凄く上手に表現してくれている素晴らしい曲だと思うのです。

魔法陣グルグルは、3度目のアニメ化ではあったのですが、ようやく完結したんですね。そんな集大成に相応しい音楽だったのではないかと僕は思うのです。

アニメが終わってしばらく経ちましたが、今でもこの曲は聴いています。この曲を聴くと自然とドキドキ感が入り込んできて、あの雰囲気を思い出させてくれるのです。漫画、アニメのストーリーと主人公の少女の気持ちの再現性が高いという点でも、曲としてもとてもポップで楽しい曲という点でも、人に語りたくなる曲だという事を伝えたかったのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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