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ギターの弦と音の高さ

今回の記事では、「音の高さ」を中心に、より詳しく考えていこうと思います。

とは言え、かなり簡略化した理論上の話です。
現実には色々な要素が関わってくるため、同じ結果が得られるとは限りません。

音の高さについて

例えば、ギターの6弦をピックで弾いて、毎回違う音が出たら困りますよね😵‍💫

(時間経過と共にチューニングはズレていきますが)
基本的には同じ強さで弾いていれば同じ高さの音が出ます。

前回、(有料部分になりますが)音の高さは振動の速さで決まるという話をしました。
同じ音が出るということは、振動の速さが毎回同じということです。

これを、物体がもつ「固有振動数」と呼びます。

しかし、1フレットを押さえれば半音上がります。
つまり、固有振動数は条件によって変わってくるということが分かります。

では、固有振動数はどのような条件で変わってくるのでしょうか?

今回は弦の固有振動数に絞って考えていこうと思います。

弦の固有振動数が変化する条件

張力

ギターのチューニングをするとき、音が高くなってしまったら低くなる方向に、低くなってしまったら高くなる方向に、それぞれペグを回しますよね。

この時、ギターの弦には何が起こっているでしょうか?

実際に触れていると分かると思いますが、音が高くなるときには弦を強く引っ張る方向に、低くなるときには弦を引く力を緩める方向に動いています。

この事から、弦を引っ張る力が強くなれば固有振動数は大きくなり、引っ張る力が弱くなれば固有振動数は小さくなるということが分かります。

それと、チョーキングによって音が高くなるのも、張力が上がるからですね。

弦の長さ

「弦の長さなんて、ナットからブリッジまで、いつも同じ長さじゃないか!」と思うかも知れません。

ただ、弦を押さえることで、振動に関わる弦の長さは短くなっていきます。

今回の「弦の長さ」は、この「振動に関わる部分の長さ」を表わしています。

開放、1F、2F…と押さえていくと半音ずつ上がっていきますよね。

つまり、弦が長ければ長いほど音は低くなり、短ければ短いほど音は高くなっていきます。

弦の太さ

6弦と1弦では太さがずいぶん変わりますよね。
そして、細い弦に向かって音は高くなっていきます。
(張力をコントロールすれば太い弦の方で高い音を鳴らすことも出来ないことはないですが、ここではいったん無視します)

物理学的には「線密度」という1m当たりの重さで考えます。
同じ長さに同じ張力をかけるなら、1m当たりの重量が大きいほど音は低く、軽いほど音は高くなります。

同じ長さを切り出すなら、太い弦の方が重いですよね。
そのため、6弦の方が低い音を出しやすく、1弦の方が高い音を出しやすいのです。

ちょっとした発展

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