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GAFAも注目!?エレファンテックを深掘り

経済産業省主導のJ-Startup  Impactにおいて、30のインパクトスタートアップが採択された。


採択企業の一つである「エレファンテック」の事業内容や、当社の取り組む社会課題についてまとめた。

会社概要

設立 :2014年

事業内容:金属インクジェット印刷技術を用いた サステナブルなプリント基板の開発・製造・販売

【プリント基板】
電子部品の土台となるパーツ。 世界における市場規模は11兆円。

創業者

清水信哉氏
エレファンテック代表取締役社長兼CTO。
東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻、修士課程修了。
2012年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。
2014年1月、エレファンテック共同創業、代表取締役社長。22年7月よりCTO兼任。


エレファンテックの強み

【従来のプリント基板の製造方法】

ボードの上に銅などを重ねて不要な部分を削る方式で生産。
水で洗浄しながら削るため、 ボード洗浄のために水を大量に消費する

また削られた銅の再利用が難しく、銅が大量に廃棄される
製造工程で使用する銅のうち約80%が廃棄される。

【エレファンテックの製造方法】

ピュアアディティブ法という方法で製造。
金属を原子数百個の細かな粒に加工してインク(液体状)にし、必要な分だけを塗る方法で生産。
従来製法比で銅の使用量は約70%削減
水の使用量は95%減、CO2の排出量は75%減を実現。

環境に優しいだけでなく、コストの削減も実現。
プリント基板の原価において銅が大半を占めるため、銅の使用量の削減により、価格競争力もある。

なぜエレファンテックが新技術を可能にしたのか

①金属(銅)をプリントするための「メタルインク」が作れなかった
基板上に電子回路を描くためには、ナノメートル単位で銅の粒子を操り、
安定したインク状にする必要がある。
ナノテクノロジーと呼ばれる技術の進展により、溶剤の原料やその配合の開発・実用化が実現した。

②緻密にプリントするためのシステムと制御技術
ボード上に電子回路をプリントするためには、プリンター技術において精密なコントロールが必要。

株主であるセイコーエプソンが、過去の自分たちの研究成果を提供し、協同したことで実現した。
2020年に名古屋の工場が立ち上がり、量産を実現。

GAFAも注目

アップルやマイクロソフト、アマゾンのような巨大テック企業からも注目されるほど、海外からのニーズが高い。
その背景にあるのが、脱炭素に与えるインパクトの大きさだ。
海外の大企業は脱酸素目標を掲げており、その達成のために部品生産メーカーを再検討している。

例:アップル
2019年時点で年間2520万トンのCO2を製造プロセスから排出しているが、 そのうちプリント基板とフレキシブル基板が10%も占めている。

今後の展望

現在は自社工場での生産にとどまるが、 今後はプリント基板を生産する国内外のメーカーに対し、生産装置とメタルインクを外販するモデルも検討している。



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