あなたの拡声器になる

自分に降りかかる不幸にばかり気を取られるもので、人間らしいといってしまえばそれまでだ。

幼い頃から気が強かったし正義感も強かった。私は絶対に間違っていないという自信に裏付けられていたからか力は無限に湧いてきて、きっとそのまま屈していたならばイジメになっていたようなことも、腕力と言葉でねじ伏せてきた。

私をいじめ(ようと試み)た男児は最終的に、泣きながら廊下に正座する羽目になったものだし、絶対にされたこと以上の反撃をすると示せばそれより後に関わられることもなかった。

思い返せば私はずっと強かったのだ。思ったことは基本的に言える。そして常に味方がいた。気が弱い性格で損をしている人がいることにも最近になってやっと気付いた。

今わたしの声がある程度人に届くのは、聞いてくれる人がいてこそだから私の力ではないんだけど、それでも声が大きいというのは強いということだ。

私の声は大きいから、せめて、かれらのための活動家もいないような、社会のまなざしの中で透明化されていると感じている人の代わりに語ろう。声の小さいあなたの拡声器になろう。声の出し方を知らないあなたの顔色に声音に気づけるようになろう。

誰にも語られることのないあなたが、いなかったことにならないように。自ら声をあげられないあなたが、苦しんでいなかったことにならないように。

全部受け止められるようにもっと強くなるし、強くなるだけなら私には難しくないから。

ごめんね、今は棘ばかりで。私が強くなるのを待たなくていいから、棘で返して。

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