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播磨陰陽師の独り言・第481話「禁じられていること」

 昔から日本人として禁じられている物事と言うものがあります。その理由は縁起が悪いからです。たくさんあるので、とりあえず代表的なものを書いて行きます。

 死んだ人をムチ打ってはならない。
 死んだ子の歳を数えてはならない。
 夜、口笛を吹いてはならない。蛇が来るとも、また、平家の呪いの術とも言う。
 夜、爪を切ってはならない。爪が体から離れる時、死人しびとの臭いに霊が集まると言う。
 お盆に海や川で泳いではならない。
 着物を左前で着てはならない。
 着物を着たままほころびを縫ってはならない。
 白足袋を履いたまま寝てはならない。
 精霊馬をおさがりとして食べてはならない。

 山盛りの飯に箸を立てて食べてはならない。これを立て箸と言う。
 左手でお茶をついではならない。
 暗闇で水を飲んではならない。
 箸で食器を叩いてはならない。これを叩き箸と言い、餓鬼が来ると言う。
 箸から箸へ食べ物を渡してはならない。これを拾い箸と言い、遺骨を拾うやり方と言う。
 履物のまま家に入ってはならない。
 夜中に墓場で死んだ者の名を呼んではならない。
 神棚に遺骨を置いてはならない。
 暗闇でひとつ火を忌む。これは神代から禁じられている。
 天にむかって唾を吐いてはならない。
 人の物を盗んではならない。また、嘘をついてはならない。
 人の陰口を叩いてはならない。
 鏡の中の自分に話しかけてはならない。
 裸足で板の間を歩いてはならない。
 畳のヘリを踏んではならない。
 裸のまま廁を使ってはならない。
 子に家畜の名を付けてはならない。たとえばアオの類。アオは牛馬に付ける名なり。
 手足の不自由な者をさげすんではならない。
 書物を踏んではならない。
 人の頭をまたいではならない。
 人に刃物の先を向けてはならない。
 死んだ動物を哀れんではならない。
 知らない土地で生水を飲んではならない。
 卑屈になってはならない。卑屈とは卑しく屈することである。
 福の神を粗末に扱ってはならない。
 そして、なるべく怒らぬよう、なるべく嘆かぬよう、人の話を良く聞くよう。それが福の神に愛される秘訣である。

 各々の説明を書くと長くなりますので、分からなかったところはコメントで質問してください。

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