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創作記録「小説、できるかな?」

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初めての小説創作の経過・感じたこと・考えたことなどの記録です。
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たしかに私は12歳だったけど

たしかに私は12歳だったけど

当たり前だけれど、かつて私は12歳だった。

当時の私は学校に通っていて、たくさん友達がいて、一番仲がいいのは幼なじみのアミコで、担任の進藤先生はちょっと苦手なタイプで、本を読むのが好きで、合唱部の活動も好きで、勉強も嫌いじゃなくて、ずっと好きな男の子がいて、でも誰にも言えなくて、そして、家にいるのはあまり好きじゃなかった。

あの頃の日常を、私はよく覚えているし、その時考えていた思考も、感じてい

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小説を書いたら小説がもっと好きになった。

小説を書いたら小説がもっと好きになった。

子育てメディア「コノビー」で連載した小説「娘のトースト」が完結しました。

「娘のトースト」は、主人公「庸子」が、娘「唯」の女の子への恋心を知ることから始まる物語です。

本格的に構成を作り始めてから8ヶ月ほど。 長かったです。でも、苦しくて楽しくて、あっという間の時間でした。

初めて小説を書いてみて、たくさんのことを考えました。

誰だったか思い出せないのですが、作家の誰かが「考えるために小説

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女の子らしい娘

女の子らしい娘

3歳の娘が、どんどん女の子らしくなる。

ピンクが好きでワンピースが好きでおもちゃの指輪とネックレスが宝物。お化粧ごっこをして遊び、髪をかわいく結ってとねだり、大きくなったらお姫さまになりたいと言う。

不思議だ。

私は、娘に「女の子はピンクだよ」なんて教えたこともないし、スカートやリボンやフリフリを積極的に与えたおぼえもない。「女の子なんだから」みたいなことも言っていないし、夫も同じだ。保育園

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連載小説、はじまります。

連載小説、はじまります。

子育てメディア Conobie[コノビー]編集長の渡辺さん(@tatsuwat)からお話をいただいて1年。やっと来月8月に小説連載がはじまります(たぶん、きっと!)。

花屋を営みながら子育てする母親とトーストを焼くのが得意な娘の物語です。

小説を書くにあたって、今まで読むだけだった小説がどんな風に創られていくのか、自分でもすごく楽しみだったんです。だから、ちゃんと過程を残したくて、そのつもりで

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甘くみていたんだ。

甘くみていたんだ。

甘くみていたんだ、と思う。
タイトル通り。

何をかっていうと、小説を書くこと。
私は、小説を甘くみていた。

いいものが書けない、上手に書けない、とかそういう話じゃない。
そういうこととは全然別の場所の話。
そういう場所が存在することを予想だにしなかったということが、私の甘さ。

小説を書く、ただそれだけのことが、私の生活にこんなに影響を与えるのかって驚き。
こんなに侵食されちゃうの?

小説の

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小説のリアリティ

小説のリアリティ

今、書いている小説の話。

プロットがまとまってきたところで、取材の話になった。

小説を書くため、作家が取材をすることがあるのは知っていた。作品の紹介などで「これは綿密な取材に基づいて書かれた」みたいな説明があるから。だけど、作家がなぜ取材をするのかは、何となくはわかるけど、何となくしかわからない。

ライターとしての取材は経験している。場所や人を訪ね、空気を感じ、話を聞く。そして、それを記事に

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「編集者」という謎

「編集者」という謎

大学時代、オーケストラ部に所属していた。入部当初の私にとって不思議だったのは、指揮者の存在だ。彼らはなぜ楽器を弾くことを選ばなかったんだろう? 音楽がやりたくて入部しただろうに、音を出したくならないのだろうか、と。

同じことを、編集者という職業の人々に対しても思っていた。

これまで何人かの編集者と仕事をしてきたけれど、どの人も、いわゆる「書ける人」だった。修正や指摘を受け、元のモノよりぐっとよ

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陶芸のように、ドキュメンタリーのように

陶芸のように、ドキュメンタリーのように

新年明けましておめでとうございます。
年が明けて、もう6日目なんですね。
早い。

私は1月4日から仕事をはじめました。来週の打ち合わせに向けての資料を、なんとか完成させたところで2日間が終わりました。

私の小説づくりは、実に地道に進んでいます。ひたすら以下の繰り返しで。
1. 宿題が生まれる
2. 考える
3. まとめる
4. 提出する
5. 打ち合わせをし、新たな宿題が生まれる
宿題は、たと

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なぜ、小説を書くのか?

なぜ、小説を書くのか?

今までたくさんの文章を書いてきたけれど、小説を書くことはなかった私が、「小説を書きたい」と思った直接のきっかけは、コノビー編集長・渡辺さんとの出会いです。渡辺さんがどんな風に素晴らしい編集者で、どんな風に私にきっかけをくれたのかは、また改めて語るとして、今回は、もう少し私の奥底で見つかった理由について書きたいと思います。

私が一番自然に書ける文章は、今までnoteに書いてきたようなエッセイです。

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なぜ、小説を書かなかったのか?

なぜ、小説を書かなかったのか?

最初、今回は「小説を書きはじめる理由」を書こうと思っていました。でも、先に「なんで私はこれまで小説を書こうとしなかったのか」、考えてみようと思います。こちらの方が、少し前から、胸にひっかかっているからです。

私は昔から物語が好きな子供でした。かなりの長い間、私にとって、本といえば、小説や物語でした。大学の授業で、さまざまな新書や専門書を読むことになって、「そうか、世の中には、小説以外にもこんなに

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小説、はじめます。

小説、はじめます。

小説を書いています。

正確には「書こうとしています」と言うべきなんでしょうか。登場人物についてあれこれ考えている段階で、「小説」本文にあたる部分を書くのはまだちょっと先。だから、私はまだ「小説」を書いてはいないのかもしれません。でも、そうすると「小説」は、どこから、いつから、「小説」になるんだろう、とそんなことも考えます。

子育てメデイア「コノビー」編集長の渡辺さん(@tatsuwat)から、

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