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Air Franceでロストバゲージに遭った話


Air Franceでロンドン→パリ経由→羽田便で一時帰国するはずが、最初のフライトの遅延により乗り継ぎに失敗し、パリ→アムステルダム→インチョン→成田という長旅になったあげく、預け荷物が行方不明になったときの記録です(最終的に見つかったので、正確にはロストバゲージではなくディレイドバゲッジになります)

一時帰国便の予約

私はだいたい一時帰国予定日の半年くらい前にはフライトを予約しています。このときは、2023年4月下旬の便を前年10月に予約しました。直行便は非常に値段が高かったので、リーズナブルかつ、ショートフライトで特に問題を感じなかった Air France に決めました。

ロンドン→パリ便の遅延

ヒースロー空港に着いてスーツケースを預けるまでは混雑もなく、スムーズ。しかしボーディング予定時刻が迫っているにもかかわらず、電光掲示板のステータスが Please Wait のままで一向に Gate Number が表示されない。嫌な予感は的中し、やっとゲートに向かう頃にはもうパリ→羽田便を逃すことは確定。そもそも乗り継ぎ時間が2時間しか無いのがリスクをはらんでいたんですね。
スタッフに聞いたところ、パリでホテル(夜遅い便だったので)と翌日のフライトへの再予約をリクエストせよとのこと。無料と連呼してたから金銭面は良いが、友人と会う約束はリスケ確定。慌ててメッセージを送る。

Air France アプリ

それにしても遅延理由が機体を取られた(予定していたものがコペンハーゲンに行ってしまったから代わりを待っていた)なんて。。そんなミスあるんかいなー(*_*)
やっとこさシャルルドゴール空港に到着し、他の乗客と一緒に列をなして待つこと30分、振替の便はなんとアムス経由の成田着。パリ羽田直行便は満席だからこれが一番速い、荷物は羽田に着くから半券を失くさずに持っておくようにとのこと(ここで疑問を感じて問い詰めるべきだった)
ホテル行きのシャトルバスが見つからず、結局タクシーに。同乗した3人家族は優しくてほっとした。彼らは南仏でバカンスの予定らしい。
0時にホテルの部屋で、もらったランチセットみたいなのを平らげる。アメニティグッズとパジャマ用のTシャツなんかもあって、さすがここらへんはしっかりしているなと。翌日の朝食付きだったが、廊下を誰かが歩き回る音やドアの閉まる音のせいで眠りが浅く寝坊して逃し、結局空港にて、もらったバウチャーを使って11時くらいに食事を済ませた。

長旅の始まり

Air France と同じ系列のKLMに乗る。途中アムスで4時間弱のトランジットおよび、韓国はインチョンで1時間程度のストップオーバーを挟み、当初予定から20時間以上遅れて日本(成田)到着。安心するも束の間、預け荷物の回収に羽田に向かうと、、

スーツケース行方不明

とりあえず羽田第3ターミナルの案内所で聞いたところ荷物の預かりは空港ではなく航空会社の管轄ということで、出発ロビーの Air France Japan スタッフに助けを請う。待つこと1時間弱、結局どこにあるか分からず、今後届いた際に通関をスムーズにするためとして書類記入、スーツケースのカードキーもスタッフに渡し、やっと実家に帰る。
スーツケースの中身は主に家族や友人に渡すためのお土産、自分の衣服・靴・化粧品等だった。電子機器やら常備薬やらは手荷物として肌身離さず持っていたので最悪の事態は逃れたと言える。それでも久しぶりに会う友人たちに何も渡せないのは気が引けるかつ、日本滞在の2週間以内に果たして戻ってくるのか見通しが立たず、どのような手順を踏めば早く取り戻せるのかすら手探り状態で、久々の日本生活を満喫するつもりが常に喉に小骨が刺さっているような感覚が続いた。

捜索開始

フライト遅延については、EUの決まりで補償が航空会社から下りることになっていると知人に教わったため、Air France UK公式サイトから申請する。

https://wwws.airfrance.co.uk/claim

結果的に、遅延の補償は数回のメールのやり取りだけで解決した。キャッシュ600ユーロ、マイレージなら800ユーロ相当ということだったが迷わず前者を選択。
同じサイトから Delayed Baggage も申請したところ、 "World Tracer" に登録したので今後はそちらの更新情報を確認するか、日本のヘルプセンターに問い合わせよとの返事。え、それってクレームしなかったら、捜索の開始すらされなかったってこと??どうやらそうらしい。Air France Japan スタッフにすべてを任せた気でいたが、どうやらこのシステムに乗せることが第一関門であったようだ。

Have a great week なんて
あり得るかー!

メールのリンクを開いたところ、そもそも登録情報が不十分だったり誤ったりしていたので、指定の番号に問い合わせて情報更新をしてもらう(一部は変更できたが、スーツケースの色や形状など肝心なところがさわれないようになっていたため)このヘルプセンター、スイスポートジャパンの方々にはお世話になりました。やり場のない怒りとフラストレーションを和らげるカスタマーサービスを学んだ。

できることはすべてやったため、あとはもう待つしかない。スイスポートジャパンによると、おそらく荷物はパリに留まったままだということ。あのスタッフが言っていたことは嘘八百だったのだ。そもそも人と荷物が別の場所に到着するなんて聞いたことがない。私もその場で疑って問い詰めるべきだったのだ。そうしたところで事態が好転したかどうかは定かでないけれども。

ついにスイスポートジャパンから連絡が来て、荷物が成田空港から滞在先である実家に届いたのは、日本到着から10日後。ロンドンへの復路便が5日後にせまる日だった。
スーツケースは見たところ目立った傷もなく、 Air France Japan スタッフに預けたカードキーも一緒に配達された。中身も無事。お土産はぎりぎり会えた友人には渡し、他は親戚に配る分も含めて両親に託す。

補償申請

荷物が配達された時点で、Air France/KLM からケースが閉じられてしまったため、航空会社からの補償はもはや諦めるしかない。幸い銀行付帯の海外旅行保険 (Monzo Premium) が使えそうだったので、申請してみることに。

必要な提出書類の中に、航空会社からの "Non Compensation Letter"  というのがあった(補償金を2重で受け取ることはできないため、航空会社からは何も受け取っていないという証明が必要ということなのかな、理解違ったら指摘ください)。これが一番厄介ではないか、これまであんなに返信が遅く情報入力も不正確で、荷物が届けられたと分かった瞬間にケースを閉じてきた(「はい解決、荷物も不足なく戻ったのだし文句ないでしょ」) Air France がそんなの発行してくれるはずがない…という疑念は杞憂に終わり、あっさり送られてきた。

実際には4/21から10日間紛失状態

このレターを保険会社に送ったところ受領され、無事満額の補償金が振り込まれた。荷物が戻ってから1か月間。喉の小骨がやっと取れ去り、遅延の補償金と合わせるとフライト代が浮いたかつ若干のプラスになったから、多少の面倒はあっても申請手続きをして良かったと思う。

学んだこと - ロストバゲージ対策

  • パリ乗り継ぎ便は避ける(特に乗り継ぎ時間の短い便)

  • 預け荷物は見た目の特徴をすぐに言えるようにしおく、写真を取っておく

  • 貴重品は絶対に機内持ち込み手荷物にする

  • スーツケースに鍵はかけない(通関で無理やりこじ開けられる可能性があるため)

  • Air Tag など荷物をトラッキングできる何かを付ける

  • 到着時に預け荷物が出てこない場合、その場で Baggage Claim を行う

  • 海外旅行保険には入っておく

  • レシートはすべて取っておく

ロストバゲージそのものは、日系航空会社での発生はほぼ無いに等しいと思うのですが、世界的にみるとまったく珍しい話ではないということが何よりも骨身に沁みました。紛失しないまでも、傷ついたり鍵が壊されたりということはままありますよね。なお Air France に至っては、頻発するせいか Air France Lost My Luggage という facebook ページまであります(゜_゜)
私の場合は一時帰国でしたが、もしホリデーでロストバゲージに遭ったら、バカンス気分が台無しになるだろうと思いました。補償がきっちりされるならまだしも、最悪の場合荷物が戻ってこないうえに補償額もまったく割に合わないなんてこともあるようなので、今回は不幸中の幸いだったと言い聞かせています。
これを読んでくださった貴方が同じ事態に遭わないのを祈ると同時に、日系航空会社のサービスのすばらしさを痛感したということで結びたいと思います。
※ Air France/KLM で滞りなく渡航している人もたくさんいるので、本投稿はあくまでロストバゲージ体験の一例とみなしてください。

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