小話 その1

2019.05.16  どれだけ空腹であろうと、何でも美味しく感じる訳では無いんだ、という話。

★まとめは最後に


朝目覚めると、9:00を回っていた。なかなかいい時間になってしまっていたし、アンドラ公国へのバスチケットを買わなきゃならないため(アンドラ公国の宿は予約したのにバスを忘れていた)、半ば焦りながらチケット売り場まで40分ほど歩いた。

途中バルセロナ凱旋門をパシャリ、街並みをパシャリ、とかしていたので時間かかった。美しいノルテ駅に着いた。二階でチケットを買う。カウンターは混んでいた。ので、隣の販売機を弄っていたがどうしても最後にエラーになる。もう今日のチケットは無いのかな?

カウンターに並び直し、確認。問題なく購入。ホステルに戻ると、部屋に置いてた重い荷物を背負い、チェックアウト。バス発車まで残り4時間。

さて、暇になってしまったので、海を目指した。海外の海なんてワクワクドキドキが止まらない、そんな思いで向かっていた。

結果的に、水平線を望めるような場所ではなく、移動も考えたものの、なんとしたことか、サグラダファミリアを見ていないことに気がつき、そちらへ向かうことにした。残り3時間。

途中お茶したりベンチに座って休みながら場所を確認した。重力の非情さを、両肩が、激しく訴えかけてきたためである。   仕方ないな、休んであげよう    そう答える両腿の筋肉は疲労でプルプルしていた。残り2時間。

サグラダファミリアの一角が見えたのもつかの間、すぐ建物に隠れ、すぐそこに感じてこのくらいだろうと思っていたのに姿が全く確認できず、大きいから結構遠いのかな、と思っていたら、急に現れた。その唐突さに面食らいながらも、未完のそれを見上げて感動した。想像よりも白かった。未完で完成というのも通な楽しみ方じゃないかな。パシャリ。残り1時間20分。

中に入ることは当然できない。時間が迫っているから。バス停まで30分ほどかかる。少し急ぎ気味で向かう。向かいながら何も食べていない。昨日チキンを少し食べたくらいだった。思い出してしまうと堪らなくきゅるきゅるお腹がきゅるサウンドをあげだす。お店を探しつつ戻るけれど特にいい感じのところは見つからないしバス乗り場近くまで行った方が気も楽だからそうした。ケバブ屋が近くにあったのでここに決めた。人の入りもちょうどいい感じ。ここにした。残り45分。

チキンとビーフのミックスにセブンアップをお願いしたらポテト付きのセットをオススメされ値段も僅かしか変わらないのでこれにした。すぐ来た。

最高に美味そう、うまいに違いない。確信しながら口にした。美味しくなかった。いくら空腹でも味覚は働くのだ、ということを学んだ。


★まとめ

冒頭がすべて。