君からの手紙を刻んで呑み込んでわたしの血となれ肉となれ


めがねを外して見た景色 第3回

かるがも団地のめがね担当 日野林が送る
短歌とエッセイの連載です。


こんばんは。
3回目の更新です。

読んで下さっている方、「スキ」を押してくださっている方、
ありがとうございます。
「スキ」ってとっても照れますよね。通知が来るたびに照れています。

今回はお手紙の話をしようと思います。
短歌と本文がちょっとずれちゃいますが、あんまり気にせず読んでくれたらうれしいです。


君からの手紙を刻んで呑み込んでわたしの血となれ肉となれ


手紙を書くのが好きです。
貰うのも好きです。

言葉は話すよりも書く方が好きです。


話すのは、とても難しいことです。
わたしは今まで、何度言いたくないことを言って、
何度、人を傷つけたんだろうなあ。

うっかり口をついて出たことばは、
わたしの「こういう自分でありたい」という気持ちを一瞬で裏切ります。

できれば、
誰にでも優しい自分でありたいし、
どんなに機嫌が悪くても人を邪険に扱わない自分でありたいし、
どんなに相手のことが嫌いでも不当に蔑まない自分でありたい。

でもわたしが会話の中でとっさに発する言葉は
そういう自分を壊していきます。
おばあちゃんに「ことちゃんは性格がいわねえ」と言われるわたしでも、
通知表に「クラスのみんなのことを考えて率先して仕事をしてくれます」とか書かれちゃうわたしでもない。
偏見も、醜いプライドも、嫉妬心だってそれなりに、というかめちゃくちゃある。


自分が発したことばは、相手に届いてしまったら取り返しがつかない。
届かなくても、発してしまったという事実は自分が覚えている限り変えられません。

自分の言葉は、何よりも自分を縛ると思います。
ふと口をついて出てしまったことばだったとしても、
たとえ本心と違っても、
わたしが「A」と言ったら、そのあとのわたしは「『A』と言ったわたし」という新しいわたしになる感じがします。

焦ってぺらぺらと話していると、不本意に、どんどんわたしが更新されていってしまうのです。気づいたときにはもう戻れない。


手紙は、ゆっくり、ことばを選べる。
「ことばを選ぶ」って、
必ずしもポジティブな意味ではないかもしれませんが、
わたしは良い事だと思います。

わたしはあなたに本当に伝えたいことだけを伝えたい。
使いたいことばだけを使って、
漢字で書くか、平仮名で書くか迷って、
ゆっくりと、丁寧な字で書いた手紙は、
あなたに見せたいわたしです。

心の底には、それなりに汚い感情もたくさんありますが、
そうやってゆっくりことばを紡ぐことで、
わたしは、いちばんなりたいわたしに、少しの間だけでもなれているんだと思います。


この連載も、読んでくれている方に見せたいわたしです。
これを書いている一瞬一瞬が集まって、いつかこれが、ほんとのわたしになればいいな。

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めがねを外して見た景色(短歌+エッセイ)

かるがも団地のめがね担当 日野林が 日々ぐるぐると考えたことを短歌(初挑戦)とエッセイで綴ります。
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