わたしの地図 第1回「実験台になってくれ」日野林琴乃さん(前編)

かるがも団地での生活が始まって1か月が過ぎました。
今月からは「特集」と題して、団地の外へも足を延ばします。

今回の特集は「わたしの地図」。

自治会長・藤田が気になる人達に、思い思いに地図を描いてもらい、
これまで歩んできた道のりや、今の自分がいる場所、そしてこれからの事をざっくばらんに聞いてまいります。

第1回「実験台になってくれ」 日野林琴乃さん(前編)

藤田 今月からは「特集」と題して団地の外へも足を伸ばしてみます   
日野林 いや、私思いっきり中の人間じゃん              
藤田 いきなりよその人に突撃するのも緊張しちゃうからね       
日野林 あ、そうすか。まあ別にいいけど
藤田 ありがとう。ほんとにいい実験台だよね
日野林 あ?

 初回に取り上げるのはかるがも団地のメンバーで、短歌+エッセイ「めがねを外して見た景色」を連載中の日野林琴乃さん。この春から大学院生として日々勉強に勤しむ彼女に自分だけの地図を描いてもらいました。


◇中央書庫はクソほどいい匂い**

**

藤田 早速なんだけど何を描いてくれたのかな?
日野林 この世で私しか知らないんだけど、はい、首都大図書館の地下1階
藤田 いや超知ってるわ

八王子市にある首都大学東京 南大沢キャンパスの図書館。
首都大学東京はかるがも団地の3人が出会った場所でもあります。

日野林と図書館。営業の人感をめいっぱい出していただいた。

藤田 で、ここの地下1,2階が書庫になっているんだよね。地上1~3階までは所謂よくある図書館な空間で
日野林 うん、穴場。大学2年生くらいの時に存在に気付いた
藤田 こんな世界が広がってるんだ、みたいな驚きがあるよね。そもそもここを選ぼうと思ったのは?
日野林 取材を頼まれた日にちょうど行って、あ、ここそういえばめっちゃ好きだわって(笑) 基本的にいい匂いするし。まず、地下書庫は中央、南、北って3つの書庫にスペース分かれているんだけど、ダントツで中央が一番いい匂いする
藤田 (笑)

日野林 いや、これはマジな話だよ?!別に統計とかとったことないけど、首都大生に聞いたら絶対ナンバーワンになるはず。古い紙のいい匂いがする
藤田 あー、古本屋さんの独特な匂いの感じね
日野林 そう。しかもブックオフとかじゃなくて、神保町とかの(こじんまりとした老舗)の感じね。紙が茶色くなっちゃってるような。クソほどいい匂いだよ
藤田 (笑)じゃあそんなスペースの中でも「このへんよくいく」ってのは?

日野林 ここは、自分の専門の書籍とかあるからだね。いい匂いがするからよく行くわけではない(笑)
藤田 古本の匂いって昔から好きだったのかな?
日野林 実は古本は自分ではそんなに買わなくて。作者の人に印税を収めたい派なので。でも地下書庫に初めて足を踏み入れた時の、ほわっと紙の匂いにつつまれる感じが好き
藤田 書庫は圧倒的に古本が多いから、匂いは地上階よりもそりゃ強いよね
日野林 こもってるしね。尚更
藤田 積み重なってきた歴史が感じられるよね。書庫には勉強できるスペースもあるけど?

日野林 ア、勉強する時は地上。地下の閉塞感にやられてしまうので(苦笑)本探す時だけこっちにくる。地下で勉強している人達はできる人達よ、おそらく

藤田 (笑)
日野林 おそらくね。私の目視点検だけど
藤田 目視点検て(笑) でも確かに大多数の人が地上階で勉強して混むということを見越して、地下にわざわざ行くんだもんね
日野林 そう。あと地下は携帯の電波が悪いから。学内用の無線LANも繋がらないし。つまりサボる気が無いってことよ。地上階にいる人は、学校のPCで動画サイト見てる人とかいるからね

地上階で某tubeを観る人々

藤田 たしかに。地下の方が勉強する気のある人達が集まるのかもね
日野林 うん、ルックス的にもそう。これは私の偏見
藤田 また目視点検(笑)
日野林 そう。目視点検の結果、地下の勉強スペース使ってる人は大体頭良い人


◇北はめっちゃ嫌なにおい**

藤田 中央エリアの話はしてきたけれども、同じ階の南エリアにはよく行くの?
日野林 南は紀要っていう大学の論文集みたいなのがあって、それでよく行くね。機械仕掛けの本棚が並んでいて。

藤田 大きい図書館にはよくあるよね
日野林 大学に入るまで、大きい図書館に入ったことも、自分で棚を操作できることも無かったからね。初めてこのボタンを押して本棚が動いた時のハリーポッター感?
藤田 SFチックというか
日野林 そう。ぱっと見スーパーコンピュータみたいな感じなんだけど、ボタンを押すとそれが動いて…っていうのが滅茶苦茶興奮するよね
藤田 ただこれ挟まれたりしないかなって怖くならない?
日野林 そういうテレビ番組が昔あったから、ちょっと気になるよね
藤田 あ、間違ってボタン押しちゃって棚と棚に挟まれないか、とか?
日野林 うん。あと私のことを滅茶苦茶嫌いな人が私を陥れるために
藤田 そんなことしないから(笑) 
日野林 いや可能性としてはあるよ?死にはしないからちょうどいい嫌がらせでしょ?
藤田 匂い、SFとそれぞれ違った魅力が地下書庫にはあるんだね。それで最後に北エリアが?
日野林 北は単純にめっちゃ嫌な臭い(笑)

藤田 (笑)北に入る用事はあるの?
日野林 極力入りたくない。本当に嫌な臭いがするから。何のせいか分からないけど、北だけ過度に空調がきいているんだよね。多分慎重に保存・管理しないといけない本があるんじゃないかなと思っている
藤田 それを優先させた結果、嫌な臭いと 
日野林 そう。その上雰囲気も冷たい感じするから。ほんとに嫌いだね、北は!色温度が高い感じがするしね。コンバージョンで言うとB3くらい!
藤田 伝わんねえから(笑)
日野林 ほかはA2くらいなんだけど、ここだけB3。実際は同じ蛍光灯使ってるだろうけど

※コンバージョン/B3/A2 … 舞台照明用語。ここではB3(寒色・冷たい感じ)⇔A2(暖色・温かみがある)くらいの意味で捉えてください。気になる方はグーグル先生へ。

藤田 分かりづらいな(笑)たとえるならどんな匂い?
日野林 漠然と嫌な臭いなんだよね。例え難い。嫌って感じているのも私だけかもしれないし。ドリアンとか置いてあったら違うかもしれないよ?
藤田 誰が置くんだよ(笑)
日野林 でも私が用事があってチラっと見た時には一応ドリアンは無かったから。多分そういうののせいではないと思う。大学の職員さんがドリアンを置いているからではない!
藤田 分かったから(笑) 貴重な資料が置いてあるのかもしれないね。それに簡単に触れさせまい、近寄らせまいと
日野林 べたべたさわるなってこと
藤田 学生にぞんざいに本を扱われては困ると。その匂いをクリアしてでも来る人ってのは本気で研究したい人だよね。ふるいにかけられてる
日野林 選ばれし者だけが手に取れるからね

なんとも院生らしい(?)こだわりを聞くことができました。
「わたしの地図 第1回」後編では、日野林さんのこれまでの本との繋がりや院生として勉学に励む今・今後のことについて迫ります。

後編につづく。。。

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わたしの地図

自治会長・藤田がちょっと気になる人達に、思い思いに地図を描いてもらい、これまで歩んできた道のりや今いる場所、これからの事をざっくばらんに聞いてまいります。
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