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原子力発電所事業とアメリカの再生エネルギー政策(CFACTの記事)

写真出展:Markus DistelrathによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/distelapparath-2726923/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=4535760

 2023年11月30日にCFACTは、各国の原子力発電事業とアメリカのエネルギー政策を比較する記事を発表した。内容は、アメリカが再生可能エネルギー事業を推進する一方で、他国が原子力発電所事業を推進している現状を概観し、化石燃料の重要性を強調しつつ、現実的なエネルギー政策への転換を提言するものである。
 日本人は原子力アレルギーが強すぎて現実的な電力政策を推進できていないが、アメリカやEUのお花畑政策に付き合っていては、日本の電力は壊滅的な打撃を受ける。電力政策を転換するための参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(America pursues intermittent renewables as worldwide nuclear expansion underway)
https://www.cfact.org/2023/11/30/america-pursues-intermittent-renewables-as-worldwide-nuclear-expansion-underway/

1.本記事の内容について
 ・バイデン政権をはじめとした左翼政権は、世界が原子力発電所事業を推進する中、この流れに逆行する形で再生可能エネルギー政策を推進している。スウェーデンは電力の目標を「再生可能エネルギー」100%から、「二酸化炭素排出ゼロ」100%へと変更し、原子力発電所を大幅に増設することを発表した。更に小規模原子力発電所の建造要件も緩和し、増設を早期に推進できるようにした。他の地域では、中国・インド・ロシアなど15国にて69基の原子力発電所が建造中であるが、このうちの7割が中国とロシアなのである。
 ・一方でアメリカは化石燃料を捨て、風力発電と太陽光発電を推進しようとしている。石油は6,000もの派生製品に活用されており、アスファルト、肥料、化粧品、ゴム、薬品などは石油がなければ成り立たないのである。また5万隻の商船や2万機の民間航空機の運航も不可能となる。もし完全に化石燃料を使わないというのであれば、1800年代の世に逆戻りすることになる。
 ・化石燃料は、貧困層に多大な恩恵をもたらしている。農作物の生産量は肥料により飛躍的に増大し、貧困層の食糧事情が大幅に改善した。発電においても同様であり、天然ガスや石炭発電は最も安定した電力を提供し、産業、病院、通信などの必要不可欠なインフラを支えている。
 ・再生可能エネルギーの発電量は、その不安定性のため大きく誇張されている。風力発電は定格発電量の30~40%程度しか発電できておらず、太陽光に至っては25%程度しか発電できていない。停電中の電力は化石燃料や原子力発電によりまかなわれているのである。電力事業者は再生可能エネルギーによる電力確保は不可能と考えており、事実再生可能エネルギー発電が世界の主流となっている国は存在しないのである。
 ・再生可能エネルギーに必要な資源はほぼ発展途上国から輸入されており、その資源採掘は貧困層や若年層の労働力により支えられている。しかも環境に与える負荷は化石燃料よりも大きく、ウランなどの汚染物質の処理が必要になる。また再生可能エネルギーはプラスチック製品などの原料にはなりえず、化石燃料の代替エネルギーとはなりえない。
 ・もし政治家が再生可能エネルギー政策を推進するのであれば、化石燃料を完全に代替することができるエネルギーを提案するべきである。他国は不安定な太陽光や風力ではなく原子力を確保しようと強かに立ち回っている中、非現実的な政策で自国の利益を毀損するべきではないのである。

2.本記事読後の感想
 日本も昨今の電気料高騰で電力政策について少しは目覚めてきた部分があるが、これは本質的な理解に基づいたものではなく、日本人らしい極めて卑しい目先の利益にとらわれただけのものである。真に必要なことは科学リテラシーであり、料金の変動で政策の是非を問うなら、バラマキ政権が登場すれば何ら現実的な政策は通らないことになる。現在の電気料高騰は日本人の不勉強が招いた側面も強く、政権の失敗だけに責任を期すのはあまりにも不当である。
 ただ岸田政権の拙さが許されるというわけではない。処理水の問題を見ても菅政権のいさんのおかげで筋道が付けられたにもかかわらず、いざとなったら右往左往しているような印象を与えてしまうような状況に陥っており、原子力発電所の再稼働についてもあまり進んでいるようには思えない。風前の灯火となっている政権には何ら期待はしていないが、せめて退陣するなら1つくらいはまともな政策を推進して欲しいものだ。

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