アイドルマスターミリオンライブ!のアニメを見てほしい


はじめに

2023年8月18日、アニメ「アイドルマスターミリオンライブ!」の
劇場先行公開が始まった。
10月からアニメをやるので、その全内容を3回に分けて、
全国の映画館で公開するというものだ。

第1幕:2023年8月18日~ 9月7日
第2幕:2023年9月8日~9月28日
第3幕:2023年9月29日~10月19日

私は8月19日(土)にミリオンライブはキャラと曲を
いくつか知っている程度の友人と見に行った。

誘った手前、内心「面白くなかったら申し訳ないし、
何を話せば良いのか?」と思っていた。
今までやった他のアイドルマスターのアニメは
2Dのアニメであり、今回のような3Dアニメは初めてだったから
心配していた部分はある。

ただ、その心配は杞憂に終わることとなる。

このnoteは基本的にミリオン以外のP向けに書くが、
他のコンテンツのオタクに向けても書く。
つまりは全人類に向けて書いている。
アイドルのパフォーマンスは一人に向けてやった方が
他のオタクが「自分だけにやった」と勘違いするとかいうが、
そんなもん知るか。俺はプロデューサーだぞ。

アイドルマスターミリオンライブ!って?

そもそも、アイドルマスターミリオンライブ!についてご存知でない方もいるだろう。

SMAPの中居くんが「アイドルは、やめらんない!」とCMをやっていた
「アイドルマスターシンデレラガールズ」(以後デレマス)や、
最近インターネットのミームとしてもよく見る
「アイドルマスターシャイニーカラーズ」(以後シャニマス)なら
知っている方も多いかと思う。

簡単に言うと、2005年に始まった「アイドルマスター」から完全に
独立しているのが上述した「デレマス」と「シャニマス」であり、
「ミリオンライブ!」(以後ミリマス)に登場する39名のアイドルは
「アイドルマスター」にいる13人(765プロオールスターズと呼ばれる)の
後輩として描かれる。
先輩の13人との絡みもあるが、アニメに関してメインとなるのは、
後輩である39人のアイドルである。

ミリオンライブ!との出会い

当時私はデレマスの星輝子のPとしてゲームをプレイしていた。
当時は良くニコニコのくだらない動画を見て、
「アッフゥフン!」とか言っていた。
その時、ミリマスのアイドルも同時に出ている物があり、
それが初めての出会いであったと思う。
その当時は、「アイドルマスターって色々あるんだな」くらいで、
少しゲームも触ったが所謂ポチポチゲーが苦手であった私は、
ほぼ触ることはなかった。
モバゲーでサービスされていたシンデレラガールズもほぼやっておらず、
デレステという音ゲーを主にプレイしていた。
([はじめての表情]橘ありす が20連で出て、小躍りした。)
その後、シンデレラガールズのアニメも見たが、担当である星輝子はメインで扱われていなかったため、正直そこまでアニメを良いものとして見ることは出来なかった。

その後、行くM@S来るM@Sという年末生放送で「すごい、カッコイイんです!俺ら!」と言っていたから見た「SideM」のライブ等に触れ、サイコー!
と叫んでいた。

そんな最中、「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」という
音ゲー主体のアプリリリースが決定した。
ポチポチゲーしかないという理由でミリオンライブに
あまり触れていなかった私は、事前登録した。
純粋に楽しみにしていたし、当時の生配信も見ていた。
確か「Sentimental Venus」のMVが発表されていた気がする。

ミリシタがリリースされたため、リリース日に初め、
チュートリアルを進め、音ゲーをやった。
当時デレステは基本的にMVで全てのアイドルが同じ踊りで、
どんなアイドルを設定しても音源が変わらなかったため、
代表曲の「Brand New Theater!」等で個別に歌って踊るアイドルたちを見て
それなりに楽しんでいたが、そもそも好きになったアイドルが
あまりいなかったため、その当時は正直「デレステで良くないか?」と
少し思ってしまっていた。

前後関係が怪しいが、その後GREEでサービスしていたミリマスの
終了が発表された。
その時はあまりアイドルを知らなかったが、
ニコニコ動画等で情報は少し追っていたため悲しかった。
特に「ミニゲームがぶっ飛んでいる」という噂は聞いていたため、
サービス終了前に「茜ちゃんメーカー」という
クッキークリッカー風のゲームや、
「れいかのとある一日」というスーパーマリオラン(チャリ走?)風のゲームをやって、終了を惜しんでいた。

そんなある日、事件が起きる。

「昏き星、遠い月」という楽曲がミリシタに追加されたのだ。
もはやあまりミリシタをやっていなかった私は、いつも通りニコニコ動画を見ていた。
ランキングを見ていると、ミリシタの新楽曲が追加されているらしいと思い、興味本位で聞いてみた。(くらわんPいつもありがとう)

不穏なイントロで始まった曲中では


「ヴァンパイアを狩りなさい。これは命令よ」

急に何????


え????ヴァンパイアなの????
美味しそうな男の子じゅるるんとかするの???
何がどうなっているのか分からず見ていると



「どうして、俺たちを殺そうとするんだ!」


そんなアイドルゲームの曲ある????
アイドルがどうして俺たちを殺そうとするんだ!
って曲中で叫ぶ曲 is 何?????
と頭が混乱している内に、「アイドルが個別に踊る」という上述した
特徴を利用した殺陣が始まり、こんなんもあるの!?!?!?!?
となってしまい、気づけばどんどん沼にはまっていた。
(↓の1:40辺りから、殺陣が始まる)


「俺たちは生きたい!ヴァンパイアだって幸せになっていいはずだ!」

アイドルコンテンツだよね?????
ヴァンパイアになっちゃったの?????

まんまとミリシタに引き込まれてしまった私は、
その時からミリシタをしっかりとプレイするようになる。

その時は、劇中劇と曲が一体になったシリーズが進行中であり、
「昏き星、遠い月」も
「女装のヴァンパイアと男装の少女のボーイミーツガールから始まる、
終わりなき旅」(かなり端折っている。気になった方はCDを買ってください)
というテーマであった。
その後、「都会に住んでいた少女が島に引越し、その島に居た少女と
仲良くなり映画を撮るドラマ」の透明さに惹かれたり、
「魔法少女と業界用語を組み合わせた曲」に対して
何言ってんだこいつと思ったり、
「愛を知ったアンドロイド」の夢に涙したり、
「社会を謳歌する女性」の力強さに震えたり、
「ドタバタしながらみんなでステージを成功させようと頑張るJK」に
感動したりしていた。
当時学生で金銭的に余裕があまりなかったこともあり、
リアルライブは触れていなかったが、生配信などを追ったりはしていた。

そんなある日、ミリシタにある曲が追加される。
ミリシタ1周年記念楽曲の「UNION!!」である。

属性別で変わる踊りや、アイドルによって変わる歌声には感動しながらも、これまであまりデレステの全体曲にあまり関心がなかった私にとっては、
ミリシタのそれもあまり興味がなかった。
しかし、それは間違いであった。

イベントとして実装されたその曲をプレイするとある歌詞が目に止まった。

ひとりじゃ 届かない ひとりも手放さない

UNION!! より

これは、アイドルマスターを知らない人からしたらあまり分からないと思うが、デレステが好きでプレイしていた私にとっては、
意味のある歌詞だった。

デレステでは現在190名のアイドルがいるが、その内、
声優が付いているのは約半分である。
(これでも私がオタクをしていた頃より、圧倒的に増えている。すごい。)
声優を付けるには人気投票で上位に入らなければならないが、
190人のうち上位に入れるのは数少ない。

声が付いていたとしても、あるアイドルにはソロ曲が3曲あるが、
あるアイドルはソロ曲が無いということもザラである。
正直私は183人(当時は183人だった)もいたらしょうがないと
思ってはいたが、思うところが無いわけではない。

他のデレステPからは「格差が大きい!」という声や、
「お前の好きなアイドルは人気がない」という攻撃も度々見かけた。

もちろん、そういう競争があることで人気のコンテンツとなったことは
理解しながらも、「明らかに人気の差がハッキリするコンテンツ」は、
「自分が好きなアイドルが人気が低かったら嫌だな」
(星輝子が担当だが、好きなアイドルがいっぱいいた)
と考えてしまい、あまり好みではなかった。

そんなこともありデレステから逃げた先であるミリシタという
コンテンツで、「ひとりも 手放さない」と歌で宣言していることに、
大きな意味を感じていた。
そんな綺麗ごとはいくらだって言える。
煽情的で美しい歌詞など、世の中にはいくらでも転がっている。
しかし、「綺麗ごとではなく事実だ」と感じさせた。

少し時は遡るが、ミリオンライブには「田中琴葉」というアイドルがいる。
そのアイドルは、声優の体調不良による長期休暇のため
ミリマスの声優ライブには出られず、ミリシタにも登場していなかった。
当時の公式ブログでは、以下のように記されていたが、
その時には、声無しでも実装はできるのでは?と思っていた。

一点、ご報告として田中琴葉は765プロライブ劇場への合流がすこし遅れています。

今はまだ彼女をプロデュースすることはできませんが、
あせらずに琴葉が劇場に到着する日を待ちたいとおもいます。
プロデューサーの皆さまもあたたかく見守っていただけると幸いです。

https://idolmaster.jp/blog/?p=30951

しかし、2018年2月8日に琴葉がみんなに合流したときに、
コミュが流れた。琴葉と仲が良い恵美とエレナとのコミュだ。
動いて、喋っている彼女を見て、これが正解だったんだ。と思った。
特別じゃなく、ただ仲間が帰ってきたようなコミュになっていた。
(その後バレンタイン生配信にて手紙を読む種田梨沙に
号泣したことは言うまでもない。)

その後、ミリオンライブで田中琴葉のボイスが追加された。
GREEでサービスしていた、ポチポチゲーであるミリオンライブで。
その時にはすでにサービス終了は約一か月前に迫っており、
追加したところで収益も出ないだろう。
これ以上アップデートを重ねるなど、運営するうえで意味はない。
それでも、サービス終了が発表されてからそれまで戻ってこれなかった
仲間も含めて、みんなで終わりを迎えるために。


「みんな一人じゃないんだ」
「ひとりも欠けたらダメなんだ」
そんなありふれたような一節を、行動で示した。

ここで、ゲームバージョンでは1番と落ちサビしかないが、
「UNION!!」の2番の歌詞を見てみよう。

努力は おしまない ダイスキは 裏切らない

UNION!! より

一見、努力は裏切らないというありふれたことを言っているようである。
しかし、彼女たちは努力が裏切ることもあるということを知っている。
努力してもミリオンライブはサービス終了してしまった。
そのうえで、ダイスキという気持ちに対しては、裏切らないと
言い切っているのだ。

ここで、ミリオンライブは特別なものとなった。
彼女たちが謳う裏切らないダイスキのその先を、
惜しまない努力のその先を見たいと思った。
デレマスはデレラジや生配信は見ていたけど、
正直なところ声優のライブにはあまり興味が無かった。

しかし、無料でライブが生配信されていたりしたこともあり、
ミリオンライブでは興味が出て、ハッチポッチの円盤や、
5thライブの円盤を購入した。現地にはいけなかったが、
1人でミリオンの6thライブFairy公演のライブビューイングに行った。
(なぜFairyかというと、周防桃子担当だからである)

結局、今ではミリシタ自体はログインして1曲やる程度となってしまい、
ミリシタをめちゃくちゃやっているわけではないが、
出るCDはすべて購入し、担当である周防桃子のガシャや衣装が
登場するたびに、課金する程度にはやっている。
ライブも配信で参加している。
(コロナの影響で、配信の選択肢ができたことは嬉しい)


アイドルマスターというコンテンツは、残酷だ。
ゲームが変わるたびに、新しくコンテンツが広がるたびに、
私はプロデューサーとして接していたアイドルが、
「はじめまして」になる。
おかしな話だ。こっちはこの子のことを知っているのに、
向こうはこっちを知らない人として接してくる。

そんな中、ミリオンライブ!で
「メメント?モメント♪ルルルルル★」
という曲がある。見るからにバカっぽい曲名だと思うかもしれないが、
この曲について説明する。

この曲は、記憶喪失になってしまった女の子が、
「初めて見る世界ってこんなに楽しいんだ!」
という曲である。バカっぽい。

ある日目覚めたら、忘れちゃってました!
ああ、ココはドコ?

ワタシはダレ?

I don’t know!
コレってアレじゃない??アレってなんだったっけ??
ああ、ひょっとしたらキオクソーシツ?!
コレハコレハいかがいたしましょうか???

メメント?モメント♪ルルルルル☆

しかし、曲の後半ですべてを覆す歌詞が登場する。

なにもかもがハジメテって感動です
君との出会いって何度目だったっけ?
こんなに嬉しいことをもいちど
プレイバックできるなんてラッキーです!

~中略~

ところでクエスチョン
Tell Me! What’s My Name?
Call My Name! …Please!

メメント?モメント♪ルルルルル☆

記憶を失っても、君との出会いという一度きりを
何回も味わえるなら、それはラッキーであるという、
今までのアイドルマスターをすべて肯定する歌詞が登場するのだ。

オタクが良く「記憶を消してもう一回見たい」というが、
それを君との出会いに置き換えて、何度でも出会いを繰り返したい、
と言っているのだ。
最後にはあざとく、自分の名前を呼んでください、と付け加えて。


ミリオンライブのアニメって何?

前置きがとんでもなく長くなってしまった気がするが、
忘れないでほしい。ここからが本題である。

アイドルマスターミリオンライブ!は現行で展開しているアイマスの中で、
サービス開始からアニメ化までが一番長くかかったコンテンツだ。
サービス開始が2013年で、実際に開始されるのは、2023年10月である。
約10年だ。
参考までに他のアイドルマスターのコンテンツのサービス開始から、
アニメ化までにかかった時間は以下のとおりである。
(シャイニーカラーズについては、来年の春放送予定だ。)

初代(765AS) : 約6年
シンデレラ  : 約4年
SideM          : 約3年
シャイニー  : 約6年

これを見れば、待ちに待ったアニメ化というのが
お分かりいただけると思う。

さて、アニメ化するという発表自体は、2020年であった。
今から3年前だ。
しかも、他のアイマスの放送済みのアニメは2Dで、
ミリオンライブのアニメは3Dアニメになるとのことであった。
Stand By Me ドラえもん等を制作している、白組が担当するとあった。
当時出されたアニメPVは、そこまで出来が良いものではなかったと思うが、
ただアニメ化されるという事実だけでうれしかった。
ただ、不安ももちろんあった。

そこからアニメに関しての話題は少なくなった。

アニメ化は本当にされるんだろうか?
と心配していた。
そもそもアニメ化されて、出来が悪かったら?
今まで積み上げてきたミリオンライブを壊すようなものであったら?
「ひとりも手放さない」と謳っていたミリオンライブが、
シンデレラのアニメやSideMのアニメのように、
一言喋って終わりのアイドルがいたら?

そんなことを思っていた。

アニメ「アイドルマスターミリオンライブ!」のススメ

ミリオンライブへの愛は伝わったと思うが、
これからは、アニメについての話をする。

上述した通り、ミリオンライブのアニメは難産だったようだ。
期待と不安が入りまじり、実際に見るまで信用できなかった。

アイドルの名前や性格は知っているけど、
今回のアニメは今までのゲームとは世界線が違うので、
どういう出会い方があり、どういう道をたどっていくのかは
分からなかった。

その点、初対面のようなものだ。

でも、すべて問題なかった。
映画館で見たアイドルは輝いていた。

39人それぞれの輝きがあり、ひとりも手放してはいなかった。

以前に見た静止画では、3Dであることに少し違和感を覚えていた。
しかし、歌って踊って自由に動くアイドルたちは、
3Dアニメであるということを忘れさせ、豊かな表情と動きを見せてくれた。
3D特有の、画面に近づいたときの違和感も、
手書きを混ぜて消しているようだった。
むしろ、3Dであるからこそ、ここまで自由に楽しそうなアイドルが
そこにいたのかもしれない。

10月からテレビでの放送が始まるが、劇場で見てほしい理由がある。
それは、1話から2話までの流れを、劇場の迫力ある音響で、
続けて見てほしいという点だ。

アニメは1話を見て刺さらなかったら見るのをやめるという方も
いるだろう。しかし、ミリオンライブは1話から2話の流れが美しい。
セットで見ることで、感じ方は大きく変わってくるだろう。
また、アイドルマスターのアニメには、ライブシーンがある。
アイドルの輝きは、劇場で見れば没入感も変わってくると思う。

現代にはコンテンツがあふれている。
そこかしこにアニメがあり、漫画があり、ゲームがある。
みんなが触れるコンテンツというのは、
新しくできたものが多いのではないだろうか?
それに比べて、ミリオンライブには10年という歴史がある。
少し入りにくいと思ったかもしれないが、ここでアニメOPである
「Rat A Tat!!!」の歌詞を引用する。

気づかれずに終わらせはしない
届け 届け 『希望』の音

Rat A Tat!!!

正直、ミリオンライブ!は、シンデレラガールズや
シャイニーカラーズと比べると、あまり一般的な知名度は高くない。
「アイドルマスターミリオンライブ!っていう…」というと、
「あのデレステとかのやつ?」と言われた経験があるミリオンの
Pも多いだろう。
知名度とコンテンツとしての良さは一致しないが、
そんな中で、気づかれずに終わることも多い。
だが、強い意思を持って気づかれずに終わらせないと力強く歌う彼女達の
心は、誰の心にも響くものがあると思う。

最後に

デレステを悪く言っているようになってしまったが、
実際に私は星輝子が好きである。
ただ、私が方針に合わなかったというだけなので、
そこは留意していただきたい。
投票はやはり苦手で、ミリオンライブでやっている役や
衣装をあてがう投票にもあまり参加できていない。
また、ASでは双海真美が好きだし、SideMでは硲道夫が好きだし、
シャイニーカラーズでは大崎甜花が好きだ。

こんな駄文 & 長文に付き合っていただき、感謝を伝えたい。
ありがサンキュー。



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