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アラサーになる日の少し前の話

「誕生日プレゼント、なにがいい?」

夏をすぎると妻がしきりに聞いてくる。
だいたい、ぼくは「特に何もいらない」と答える。
妻の質問からぼくの答えまでの間に、ぼくの脳内では、こんなやり取りがある。
『欲しいのはあるよぉ。新しいレンズも欲しいし、中華鍋も欲しい。蒸籠も欲しいしぃ、あとは、アレも欲しいし、コレも欲しいしー』
物欲なんて、無限に出てくる。けど、そんなことを言い出したらお金がいくらあっても足りない。
脳内では3時間くらいの、欲しい理由、欲しくなった経緯、買ってもらうことでの妻へのメリット、徹底的に木っ端微塵完膚なきまでに叩き潰したデメリットのプレゼンテーションをやった後、でも結局は自分で買うしええわ。と結論付けて、特に何もいらないと答える。

これが、逆の立場だったら大変に嫌である。
欲しいものをスッと言ってくれた方が楽だし、予算取りも可能。
効率的には、これ以上ないと思う。
ちょっとグレードの分かれているものだったら、「誕生日やから、それよりこっちのちょっとええ奴のほう買うたるやん」ってドヤ顔で懐の広さを見せることもできる

ぼくたち夫婦の財布は別にしているが、結局家計に影響することは変わらないので、高いものをもらうつもりはない。

そこで、夫婦二人で使えるちょっといいものを買う方がいいのではないかという結論になり、昨年は、バーミキュラという鋳物ホーロー鍋を買ってもらった。あ、これおすすめです。自炊がおいしくなります。
それでも、妻は、もっとぼくのお祝いをするを言い張り、
旅行の計画を立ててくれるようになった。
去年は、近場だけど滋賀県で旅行した。クラブハリエのラコリーナに行ったり琵琶湖バレイに行った。なぜ滋賀県かというと、うなぎのしゃぶしゃぶを食べたかったからだ。あ、これもおすすめです。えぐいくらい美味いです。

あれ?おかしいと思いませんか??
バーミキュラ約3万、旅行費も2泊したのを払ってくれます。
絶対ぼくが献上したカバンより出してくれてる。おかしい。

そういうことまで考えると、上げたものよりもらったものの方が高い現象が起きてきて、余計にこれ以上もらうと罰が当たりそうで、「特にいらない」とかいうようになります。

今年の誕生日もそんなこんなで、
旅行と、美味しいご飯を食べに行くことになった。

旅行は福岡に行った。
ぼくたちは博多が好きだ。
なぜかというと美味しいものがいっぱいあるから。
初めて福岡に行った時はそれなりに観光したけど、今回は食べることしかしていない。
食い倒れだ。ハッピーボーイみたいな赤白のシマシマ着て、太鼓を一心不乱に叩き続ける人形になりかけである。

まず、行き方は船にした。
実はインスタの広告に出てきて気になっていたので、
旅行なら博多に船で行くやつにしたいと我儘を言った。
まんまと広告に引っかかっている。
でも、船は異常に興奮した。初めて飛行機に乗った時よりテンションが上がったと思う。

何より、デカい!ビルが海の上に浮かんでいるように見える。
部屋も少し豪華な部屋を取り、ホテルのようだ。
でも窓からの景色は常に変わっていく。

阪九フェリーを利用した。
20:00に神戸を出港し、翌朝08:30に新門司に着港する。
船代を前泊のホテル代と新幹線や飛行機の交通費と考えれば半額みたいなものだし、ベッドで寝たうえで朝から行動できる。我ながらメリットの多い選択肢だと思う。
あとふねこがかわいい。

船内では、自分で取っていくスタイルの晩御飯が食べれる。
なんか、すべてが美味しそうでいっぱい取ってしまった。

黒瀬ぶりの刺身とハラミや、おでん、ローストビーフ丼に、焼きそば、チキンカツ、味噌汁。
高知のカツオ漁では漁船から散水し、カツオを興奮させて釣ると聞いたことがあるが、まさに興奮させられて正常な判断ができなかった。
完全にアホである。なんでこんな良心的なメニュー(以下写真参照)で6440円も使うねん。駄菓子屋で1000円使うちょっと嫌味なヤツみたいになってるやん。

瀬戸内海を通るので、明石海峡大橋や瀬戸大橋等を通過する。
明石海峡大橋の時は、まだ消灯時間ではないので甲板に上がって橋を見ることができた。ただ、すごい突風。たぶんあれ小学生くらいなら飛んでいくぞってくらい突風。

その後は、お風呂に入る。
露天風呂まである大浴場で汗を流す。
嗚呼、なんて豪華な船旅なんだ。

翌朝は、08:30には下船しないといけないので、朝はゆっくりはできない。
日の出を見たい妻にたたき起こされ、見に行った。きれいだったが、眠くて数枚だけ写真を撮って退散。、、したものの、結局寝れず、また大浴場行って、まったり乙。

そうこうしてる間に着港、ちょっと時間足りなかったけど、慌てて降りて、
送迎バスで門司駅か小倉まで行ってもらえる。
ぼくたちは、門司港で焼きカレーを食べたかったので門司まで。
門司港と門司と新門司があってちょっとわかりにくい。一回行けば大丈夫。
まだ朝早いのでカレーの店は開いていない。
ちょっとだけ観光して、開店を待ち、一番早く開くお店で食べた。

フリマみたいなのもやってて、いろいろかわいい雑貨があった。
こういうところに来ると、ついつい衝動買いをしてしまいそうになる。
が、将来のレンズのため我慢することとしている。でも、正直普段大阪とかで見てるものよりも良さそうなのが多かった。

博多に移動。小倉までは電車ですぐで、そこからは新幹線で博多まで。
一駅だし、10分くらいしか乗らないので自由席で節約。問題なく座れる。
博多についたら、食べるものは決まっている。ぴかいちの皿うどん。
マジでうまい。今まで三回博多に来たけど、三回とも何としてでも行く機会を作って、食べに行っている。博多に行けば必ず行った方がいい。あ、店名がぴかいちね。味もぴかいちだけど。
と言いつつも、夜は17:00から水炊きのお店を予約している。
今食べてしまうと、夜におなかが減っているかわからない。お店の人に聞くと、
二人で1オーダーでも大丈夫と教えてもらったので、皿うどん一つを食べる。
お酢や、酢醤油、ウスターソースなど、味変ができる。何かけてもうまい。

ホテルにチェックインして、昼寝して、軽くショッピングして、水炊きへ。
うまい!!!うますぎる!!!風に語り掛けられなくても美味すぎる!!!
たぶん、鳥のおいしい炊き方はこれで決定しました。
雑炊まで頼んで、腹パンパンで乙。
宿まで距離あるけどafter dinner osanpoで血糖値下げておやすみ。

2日目は朝(昼)からラーメンを食べる予定。
我ガってとこ行った。一蘭がまだチェーン展開する前の暖簾分けでできた?と聞いて行ってみる。
美味しい。ラーメンにこだわりがあるようだったけど、店内の音楽にもこだわりがありそうだった。ラーメンに使ってる醤油も九州らしく甘い醤油なのか、スープに少し甘みを感じた。おいしい。

あとは、KAKAってチーズケーキのお店にも行った。
ここも毎回行ってる。妻は取り憑かれているかのようにチーズケーキが好きだ。寝言で「チ、、、けぃk」と言っているのを聞いたことがある。夢にまでみてるのかという驚きと、ケイクってネイティブスタイルなんやってツッコんでしまって寝れず体調を崩したことがある。
だから二人で三つ食べた。妻が満足ならそれでいい。誕生日なのはワイやけど。

あとは、ショッピングをして、早めの晩御飯を食べる。
ピエトロレストランだ。
あのドレッシングで有名なピエトロだ。
妻はこのドレッシングが好きだ。そのレストランの本店が博多にある。
ここでも爆食いすることになる。しこたま食べる。サラダにスープにローストビーフにパスタそれぞれ。ほんま頭おかしいんちゃうか?

帰りは飛行機で伊丹。お疲れ様。
船と違って1時間ちょいで到着。
家に帰ってからも、お土産で買った明太子と梅ひじきを食べた。
ほんまに頭おかしい。

そんな27歳最後の旅行は食いに食いに食い倒れた旅行となった。
ちなみに帰ってから健康診断があった。
結果は言うまでもないが、体重と腹囲は過去最高だった。

ぼくは、旅行は好きだが旅行の準備は苦手だ。
優柔不断により、行き先を決めれない。
経路で電車やバスなりを調べるのが面倒。
ケチなのでパフォーマンスのいい経路を考えるのに疲れてしまう。
日程を空けてもその日に仕事が忙しかったらどうしよう、、、
等、さきの不安にやられて、計画を立てるのがおっくうになってしまう人間だ。

そんな人間なので、旅行の計画を立ててもらえるのはすごく嬉しい。何にも変えがたいプレゼントだと思っている。

だから、これからも毎年、
「特に何もいらない」って言うと思う。

充分大切なものをもらってるから。



あ、あとこの話、もうちょい続きます。

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