夜總 / 間富



空の財布を眺めて爪を噛む
留めた自転車が撤去された

2時のコンビニに
薄っすらと気配がする夜蜘蛛

巻き込みたくし上げた裾に
煩しい気怠さを巻き込んで
傘はあなたを濡らした


本の無い君が涙を流す

心配なんだ、
本当は
いつか図鑑で見た花を思い出して
草叢に投げ込む体が

流されて行きそうで

恐い

黙っていたいんだ おれは