私へ / うなぎ

終わりの国の物語。誰も知らない滅茶苦茶な話を紡ぐあなたが私?
青い小鳥を白く塗り、ここにあの子はいませんと震える声で嘘をつく。
干涸びたくちびるなでる花びらが私に見せるまぼろしに視界が揺らぐ。私は眠る。
お城があったはずなのに、まばたきをした一瞬の間に月が落っこちて
「あーあ、またいちから作り直さなきゃ」
この声を私は知っている、たぶん。
それは、まだ自分がなんにでもなれる、自分にはほかのだれもが持ってない才能がある、特別な存在だって信じてたはるか昔の私自身。
もう目覚めなくちゃ。ここにはまた次の、私のような青臭いだれかがやってくるはずだ。
続きの国の物語。神こと私のみぞ知る話を紡ぐ私の世界。