秋冬に考える、ポテトチップスの話

この記事は誰かの役に立つものではなく、私がポテトチップスをちょっと好きというだけの話だ。

2018年も9月に入り、スーパーの食料品が秋冬ものに入れ替わっている。その中で私の目に入るのは秋冬限定のポテトチップスだ。スナック菓子の棚には各メーカーが作った期間限定のポテトチップスがいくつも並んでいる。今日私は山芳製菓の『北海道 リッチバター味』と湖池屋の『PURE POTETO じゃがいも心地』とカルビーの『ポテトチップス 広島県三原市久井町産 新じゃが使用 うすしお味』を買って帰った。

私がポテトチップスを食べるのは主にビールのつまみになるからで、ポテトチップス自体を愛して止まないとかいう訳ではない。だけどもポテトチップスには商品ごとに味わいの違いがあり、新しい味を発見するたびにその奥深さを感じる。具体的な違いを大まかに言うと、食感芋の風味油気の3つの要素に違いがあると私は感じている。メーカーによってこれらの要素の解釈に異なる傾向があって、私はその日の気分によってさっぱりしたい日はコレ、がっつり食べたい日はコレと選んで食べている。と言う訳でポテトチップスの棚をじっくり見て選んでいると、自然に期間限定商品が目に入ってくるのだ。

私が今日買った『北海道 リッチバター味』『PURE POTETO じゃがいも心地』『ポテトチップス 広島県三原市久井町産 新じゃが使用 うすしお味』を見て思うのは、期間限定ポテトチップスが高級化・ブランド化したなと言うことだ。スナック菓子であるポテトチップスの名前に「リッチ」と付けることは最近では普通になった。『広島県産〜』と産地を明記してブランド感を出す商品は今年に入ってよく見る気がする。そして『PURE POTETO〜』を出している湖池屋は今年『PRIDE POTETO』シリーズを展開してブランド路線をはっきりと表している。こうもポテトチップスのブランド化が広まると、みんなしてポテトチップスを有難がっているように思える。

そう考えていると、去年起こった事件を思い出してポテトチップスを有難がるのも不思議ではないかな、と言う気になった。2017年の台風によってポテトチップスが品薄になったことを覚えているだろうか。2017年に北海道を直撃した台風10号によって原材料のじゃがいもが不足し、カルビーの『ピザポテト』湖池屋の『リッチコンソメ』などが販売休止に追い込まれた。

特に『ピザポテト』は買い占めと高額な転売までおこる騒動になり、大きな話題になった。

ポテトチップスは当たり前に売っているものではないんだということが、この事件でみんなの意識に上がったのではないだろうか。スーパーの棚にいつでも置いてあると思っていたポテトチップスのひとつひとつに必要となる原材料を作っている農家や畑があるということ。このことは言われてみれば当然だけれど去年までの私たちは忘れていたのだ。

最近目立つポテトチップスのブランド化が受け入れられているのは、私たちが去年ポテトチップスの有難さを感じた影響があると思う。私たちがポテトチップスを食べるために、どこかの畑でじゃがいもを作っていて、畑がなくてはポテトチップスを食べられない。だからポテトチップスを見る時に産地という視点が加わり、ポテトチップスを食べることに有り難みを感じる。だからブランド化したポテトチップスが自然に見えるのではないか。

ということを考えながら、私は今日買ったポテトチップスを食べている。私はテレビに出演するようなポテトチップスマニアではないが、品質と味のバラエティが増えていくこのブランド化の流れは大歓迎だ。特にじゃがいもの風味を生かした商品はビールによく合うから好きだ。次はどんなポテトチップスを食べようか。