収容犬の殺処分方針、PWJ/ピースワンコに説明済み〜広島県が文書回答

 広島県が今年1月末に動物愛護センターに収容する犬の取り扱い方針を変更して、攻撃性のある犬などをNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、神石高原町、大西健丞代表理事)に譲渡するのをやめて安楽死させることにした件で、いくつかの質問を送ったところ、9日、食品生活衛生課長と動物愛護センター所長名の回答が来ました。

 治癒見込みがない病気や攻撃性がある等の犬は「譲渡することが適切ではない」とする環境省の指針案が示されたのを受け、4月に正式決定されるのを前に県の方針として採用することにしたということで、PWJにも伝えています。

 ピースワンコに新しい方針を伝えた際、県は「適切な広報を行うよう申し入れをしました」としています。「命の選別をしない」(写真下)という表現をご覧ください。現実には広島県動物愛護センターが選別することを前提に引き取っています。PWJ/ピースワンコは広告宣伝で使用する表現が事実を正確に表現しているのか総点検する必要がありそうです。

 ピースワンコが寄付集めの広告に使う表現は、筆者が繰り返し疑問視してきたところです。ピースワンコへの寄付をふるさと納税の対象メニューとしている神石高原町役場や、ふるさと納税サイト運営会社のトラストバンクはじめピースワンコの広告を扱う業者の宣伝文の審査も甘すぎると思います。

 以下、広島県からの回答です。

 Q 殺処分対象に加わった犬はどのような犬ですか?

 A 令和2年(2020年)4月 30 日に環境省から告示された,動物の愛護及び管理に関する施 策を総合的に推進するための基本的な指針」に示された「譲渡することが適切ではない(治癒見込みがない病気や攻撃性がある等)」動物について安楽死対象と整理したものです。なお、令和元年 (2019年)12 月に指針の骨子案,令和2年(2020年) 1月に素案が示されたことを 受け、令和2年(2020年) 1月にこの見直しを行っております。

 Q その様な犬はいままでピースワンコ等の団体譲渡先が引き取っていたものではありませんか?

 A これまで安楽死対象となったもの以外は団体へ引渡しを行っていたものです

 Q 「殺処分ゼロ」が安定した状態を目指すという議論を進めてきた広島県が、そのような重要な方針変更を公表しなかった理由を教えてください?

 A 国の基本方針における殺処分の区分,概念が示されたことを受けて整理したものでありますので公表の必要はないと判断しました。

 Q ピースワンコは 2019 年 1 月から引き取り方針を変えたと、食品生活衛生課から 回答を得ています。県の処分方針の変更はピースワンコと情報を共有していたの ではありませんか?

 A 同指針が改正されることを踏まえ,県としても「譲渡することが適切ではない(治癒見込みがない病気や攻撃性がある等)」動物について安楽死対象とする方針を PWJ に説明し適切な広報を行うよう申し入れをしました。

 Q 岡山県動物愛護センターは動物取扱業者に犬 30 頭に対し1人以上のスタッフを 確保するよう目安を示し、指導しています。その考えに基づき、ピースワンコの 西山犬舎(岡山県高梁市、680 頭収容)は犬の収容頭数が多すぎるので減らすよう 指導を受けたと聞いております。広島県は、犬を世話するスタッフの数について どのような基準、目安を設けていますか?その目安を動物愛護団体、動物取扱者に伝えていますか?

 A 当県で職員数に係る明確な基準は定めておりませんが、計画的に立入検査を実施することにより飼養管理状況を確認しております。

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