見出し画像

謎解き「大間まぐろ」①~大間漁協は「福島県産」「太平洋北部産」も扱う

 パソコンを開いて、昨年東京都が情報公開した行政文書を引っ張り出してみました。マイクロソフト・エクセル形式のデジタルファイルです。2022年1月と2月に、青森県の大間漁業協同組合が東京都中央卸売市場豊洲市場に出荷したクロマグロに関する情報を記載したものです。

 原産地「日本太平洋沖北部」と記録されたマグロの取引が2022年1月27日に5本、同じく2月4日に4本ありました。大間漁協から豊洲市場に出荷されたマグロで産地が青森県あるいは大間ではないマグロの出荷は初めてだったとみられます。

 大間漁協と共同で出荷した青森県漁業協同組合連合会(青森県漁連)によると、その原産地表示は「漁業者からの申し出による」ものでした。漁連幹部職員は「これからはそういう表示が増えてくるだろう」とも言いました。

 2月15日と同18日には各6本ずつ計12本、原産地を「福島」とするマグロの出荷もありました。

 太平洋沖北部産も福島産も大間漁協に所属する19トン型マグロはえ縄漁船「第56新栄丸」が獲ったマグロだとみられます。この漁船は、岩手県・大船渡港や福島県・小名浜港などを拠点として太平洋側の漁場でマグロを獲っていたことが漁業関係者の間ではよく知られていました。

 気になるのは、この漁船が大船渡など太平洋側の港を拠点に操業している様子が2021年以前にも多くの人に目撃され、SNSでも紹介されていたことです。(続)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?