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IDGsツールキット紹介(Being編)

はじめに

SDGsを促進する国際的な取り組みとしてIDGs(inner development goals:内面の成長目標)の議論が進んでいる。
この議論では、SDGs達成のための推進人材の要件を5つの資質のカテゴリーとそれぞれのカテゴリーで必要になるスキルとして提案している。
SDGsにちなんでIDGsという似た名前になったようだが、実際に中身を見てみるとGoalsと言っているにも関わらず、今のところ達成目標が明示されているわけではない。
これは、内面の成長を数値化することがそもそも難しいことと、取り扱う問題が個人や組織の内面成長であるため、数値化することによって個人の優劣のように捉えられることがないような配慮だと感じている。
IDGsの学術的バックグラウンドとなっている成人発達理論においても、発達段階を段階的に表現しているが、優劣を決めるものではないことは注意深く伝えられる。
そのため、IDGイニシアチブでは、数値目標としてどこまで出来ていればどの段階にある、と定義することよりも、実際にどのようなトレーニングをすればスキルが高まるかに注意を向け、ツールキットの提示や開発に注力しているのが現状だ。

ツールキット

その中で内面のスキルや資質を高めるツール(現時点では29個のツール)が提案されている。
今回特集として5つのフレーム(Being /Thinking /Relating /Collaborating /Acting)それぞれでオススメとなるツールを紹介していこうと思う。


初回である今回は、Beingのワークを紹介していくことにする。

90歳のワーク

このワークは、自身が90歳になった自分を想像し、90歳の誕生日に出会いたい人を想像しながら自身のあり方を体感するワークだ。
実際に実施してみると、想像以上に気づきや思いが溢れてくる自分と出会うことになるだろう。取りかかりやすいワークとしてもオススメだ。

以下に、IDGイニシアチブよりリリースされたツールキットv1のガイド付きエクササイズを紹介する。
ツールキットは、ツールによって丁寧に紹介が記載されているものと、読んだだけでは実施が難しいものなどマチマチだ。
オススメとして紹介するワークは、ツールキットv1での紹介も丁寧でやりやすいものを紹介していく。

やり方

ここでは、ガイド付きエクササイズをご紹介します。

椅子にゆったりと腰をかけてください。
体を休ませて背筋を伸ばし、リラックスした状態 で楽に座ってください。 今、自分がどこにいるのかを意識し、そっと目を閉じてください。
あなたが自分の身体の中に完全に存在していることを感じてください。
足が地面に触れていること、お尻が椅子に腰掛けていること、腕が脚に触れていることを感じてください。 今、自分の身体と意識の中で何を感じているかに気づいてください。身体の中の感覚や感情には何がありますか?
それらはどこにあるでしょうか? あなたの意識の中では、どん な思考が流れていますか?
今この瞬間に感じていることすべてを、許して認めてあげてください。
それでは、あなたの意識を呼吸に集中していってください。
吸った空気がどのように身体 に入っていき、そして身体から出ていくかを観察してください。呼吸の仕方は変えないようにしましょう。
どのように呼吸しているかにだけ注意を向けてください。
呼吸を追って、呼 吸のための呼吸を。この瞬間からこの瞬間へ。
(※約 40 秒間、参加者に呼吸を追わせてみてください)

今、この瞬間に体験していることすべてを自分自身に感じさせてください。
時に強い思いを抱いたり、時に涙するエクササイズです。そして、どんなものが現れても、 問題ではありません。あなたは、すべての感情を受けとめられる大きな存在なのです。もし、 強い感情が生まれたら、あなたが体験していることすべてに対して、心を開いて、受けとめるスペースを準備できるかどうか観察してみましょう。

不思議なことに、時間を進めて 90 歳の自分になることができたと想像してみてください。 自分の居場所は自由に決められます。 自分がどこにいるか確認してください。部屋の中にいるのか? 屋外にいるのか? 自分 がいる場所をどのようにしたいかを決めてください。 自分がそこにいることを想像し、本当にそこに身を置いてみてください。
(※短い休憩)
あなたにとって大切な、あるいは意味のある友人や親族がもうすぐ訪ねてきます。 この未来では、誰もが生きているのですでに亡くなっている人や、あなたが 90 歳になった ときに生きていないかもしれない人であっても、誰でもくることができます。
あなたの人生にとって大切な人たちに、あなたのことをどんな風に覚えていてほしいか考 えてください。そして、ここに呼ぶ人を 1 人選んでください。 では、その人をあなたのところに来させてみてください。 友人として、パートナーとして、息子や娘として、同僚として、その人に何を言ってもら いたいですか ? その人がその言葉を言っていることを想像してみてください。勇気を出して、相手があな たが選んだ一番言ってほしいことをそのまま言っていると想像してみてください。
その相手に何を伝えてほしいですか? その人に自分の何を話してほしいでしょうか? あなたはどんな人だったのでしょうか?あなたの人生はどんなものだったのでしょうか? たとえ、その人に言ってほしいことを言ってくれるとは思えなくても、とにかく言っても らいましょう。何も溜め込まないでください。 そして、その人が言ったことを、自分の記憶の中に小さく書き留めておいてください。
このエクササイズも、いよいよ終盤です。もうしばらくの間、目を閉じておいてください。
現在に戻ってきて準備ができたら、90 歳の誕生日に言われたことを、少しの時間をとって 書き出してみてはどうでしょうか。 あなたにとって大切なことを思い出させてくれるような言葉はありましたか? もしそう なら、もっとやりたい(あるいは、もっとやりたくない)と思うことはありますか? 誰もあなたの書いたものを見ることはないので、完全に正直になって書いてみてください。 自分が部屋の中に完全に存在していること、自分が身体の中に完全に存在していることを 感じてみてください。 それでは、ゆっくりと目を開けて、よかったら少しストレッチをしてみてください。

IDGs変容する組織 ツールキット紹介より

そのほかのツールキットも知りたい方は、下記の共著書もご参考いただきたい。

そのほかのツール

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