時がきたら働く日記 14

無職64日目

母が、LINEで「あと2週間は無理だって」と告げてきた。
新しい家のインターネット回線が繋がるのに、かなりの時間がかかるらしい。
私は回線契約をしているプロパイダが、新型コロナウイルスの影響で使えるデータ容量を無償で増やしてくれたのでなんとかやっていけそうであるが、家族のインターネット利用状況はわからない。

しかし、困るものは困る。
ストップするとまずい作業だらけだし、現在制作中のガイドブックの入稿直前は、校正作業のために大量のpdfファイルを読み込む予定だからだ。
色々と考えた挙句、コワーキングスペースへ移動。部活の合宿へ向かう足取りのように重い。30分も歩けば頭もすっきりするだろうと思ったが、全くクリアにならない脳。

月に何度か、東京へ通っていた時期があった。
移動は辛かったが、前日の夜に東京に入る、つまり前乗りするのが好きだった。大学からまっすぐ函館空港へ向かい、16時すぎの飛行機へ乗る。座席に座るとすぐに寝てしまうが、30分もすれば一旦起きる。客室乗務員から飲み物をもらう。窓の外を見ると、うっすらと空の色が変わり始めている。また眠って、ごごごごごごとん、という大きな衝撃で目が覚める。紙コップの不在に気付きながら、羽田空港に着いたな、とぼんやりと思う。血管みたいな羽田空港の通路を歩きながら、今日は誰と会って何を食べようかと考える。空港駅から移動して都内に着く頃にはすでに真っ暗になっていて、帰宅ラッシュが始まっている。みな態度には出さないが、私のキャリーケースのことをうざったく思っている。人混みに逆らったり従ったりしながら宿泊場所に着くと、すでに友人が集まっていて、みんなと同じように結局コンビニのおにぎりを食べてしまう。それで、日付が変わる頃に眠ったりする。
移動の疲れも抜けず、最悪な気分のまま用事へ向かう。具合悪くなりそう、と思いながら朝の電車に乗ると、東京の中枢が近づいてくる。

今回もそういう気持ちだった。いかんせん憂鬱である。早く高揚感よやってきてくれ、と思いながらセブンイレブンにて買い物をして、コワーキングスペースにて作業を開始した。

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頭の中を文字と単語と記号が飛び交っている。校正作業。
もう何もかもがわからない。印刷に次ぐ印刷。ゴーゴーと音を立てて紙を排出するプリンタの前で、その量に呆然とする。

画面上で途切れ途切れの会話が繰り返されている。たまに飲み物を口に運ぶが、味がわからなかった。

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夜22:00になっても終わらず、延長させてもらう。スタッフの皆さんに謝りながら、日付が変わる頃まで作業をさせてもらうことにした。
日付が変わる前になんとか帰宅。今回の作業に付き合ってくれた友人が家まで送ってくれる。
私以外の人間が全員眠っている家のキッチンでPCを開き、日本茶を煎れて、編集部とzoomを繋いだ。

キッチンで料理以外のことをするのが好きで、調理台でPCを眺めながらお茶を飲んでいると気分が楽になった。深夜2時過ぎに入稿完了。入稿日は1日ずれたらしい。

最後まで読んでいただいてありがとうございます! コメントなど、ご意見もいただけると嬉しいです。 いただいたご支援は、大好きなおやつカルパスとこんぶのお菓子の購入費に充てたいと思います。