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ふかいな雨が幸福をもたらす

仕事で外出している時、雨が強くなり靴の中がビチョビチョになった。足先が冷たくなり、ヌルヌルする感じ。

気持ち悪いなぁ 早くレインシューズ買わなきゃ。

と毎年思っているけれど、なかなか買うまでに至らずエナメルの靴をレインシューズということにしている。

もちろん、見た目が似ているだけで、雨はちゃんと入ってくる。そして間違った使い方をしたシューズは、最近ついにひび割れた。

とにかく少しでも雨から逃れたいと思い、アーケードの下を選んで歩く。アーケードよ永遠に続いて、と願うが、たいていのアーケードは途切れる。当たり前だ。そうでないと、日本中がアーケードで繋がってしまう。目的の場所までは、当然ながら続いていない。

その時地下駐車場の看板が目に入った。そこを通っていけば、もう少しだけ濡れずにいける。私って頭いいー

地下駐車場が結構な範囲で続いてるのだ。私は階段を降りた。広ーい駐車場には、車がたくさん並んでいる。車と一緒に私は雨から守られてた。ほっとする。さっきまで、雨が苦痛だったのが、今は雨から逃れられたと幸せで満たされる。もし、晴れだったらこんな気持ちにはならなかった。幸せを感じる為には、不快なことがなくてはならない。

ジョギングの後の水
健康診断のためにダイエットして、終わったら好きな物を食べる時の快感
ケンカした後の仲直り

しかし、どこからからかは、外に出なくてはならない。テクテク一人歩きながら出口を探した。歩いている人は誰一人おらず、少し不安になる。数台の車が徐行運転で通りすぎる。少し先に出口が見えた!近づくと、近くにガラス張りの部屋が見えた。警備員たちが、モニターで監視しているようだ。
私が近づく前に、全員がこっちを見た。

車に乗ってない、あやしい女がモニターにずっと映っていたのだろう。

「友達と待ち合わせしたんだけど、来なかったわ」風を装い外に出た。

絶対この設定伝わってないだろうな。いいアイデアだと思ったのに・・・


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