今回は、ビートルズの5枚目のオリジナルアルバム
「Help!」のレビューです。

基本情報

オリジナルリリース 1965/8/6 (UK)

1. Help!

2. The Night Before

3. You've Got to Hide Your Love Away

4. I Need You

5. Another Girl

6. You're Going to Lose That Girl

7. Ticket to Ride

8. Act Naturally

9. It's Only Love

10. You Like Me Too Much

11. Tell Me What You See

12. I've Just Seen a Face

13. Yesterday

14. Dizzy Miss Lizzy
    total time 33:44

ビートルズの活動期間は「初期」「中期」「後期」と3つに分けられますが、
ちょうど初期と中期の間に位置するアルバム。
人によって初期に分類したり中期に分類したり、諸説あるみたい。
かしまさは中期のアルバムに入れたい人。
これまでのアルバムの流れを継承しつつも、
その枠の外へ逸脱したくてたまらないという雰囲気が感じられます。
エレクトリックピアノが目立つ曲があったり、
デビュー曲「Love Me Do」以来久しぶりに
外部ミュージシャンを招聘した曲があったりします。
一方で、オリジナル曲をメインにしつつもカバー曲を収録している
最後のオリジナルアルバムでもあります。
(「Let It Be」にトラディショナルソングが入ってますが、
なんとなくカバー曲っていう雰囲気じゃないよね)

レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8/10)

今後の作品に比べればまだまだおとなしいですが、
ビートルズ「新章」を期待させるアルバムと言えると思います。

楽曲解説

以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。

Help!

アルバムのリードトラックにして映画のテーマ曲。
この頃のジョンはビートルズの世界的な成功で
身の回りの物事がガラッと変わってしまって
割とガチに「助けて!」という状態だったらしい。
そんな本気の「助けて!」が込められた曲。

You've Got to Hide Your Love Away

先述の「デビュー曲以来に外部ミュージシャンが呼ばれた曲」。
曲の終盤に入っているフルートの音がそうです。
ボブディランに傾倒していたジョンの作で、
確かにそれっぽい雰囲気です。
個人的には、中学生の頃学校に行く時に頭の中で流れていた曲なので、
これを聴くと田舎の田園風景を思い出します。w

Ticket to Ride

メタルの先祖とか言われる革新的な曲。
ギターリフのように独特なドラムのパターンが巧くはまってます。
Aメロ部分ではギターがずっと同じ音を鳴らしてたりして
メタルというより東洋っぽさもちょっと感じられる曲。

I've Just Seen a Face

ポールによるカントリー&ウエスタン風な曲。
US編集盤の「Rubber Soul」はこの曲が1曲目らしいんよね。
その「Rubber Soul」やその後の「Revolver」にも登場した
元恋人のジェーン・アッシャーへの一目惚れの歌だそうです。
(てかこの頃、ポールはジェーン・アッシャーの実家に居候してたんだね。Wikipediaで知ったわ)

Yesterday

言わずと知れた大大大名曲。
これが入っているだけでアルバム評価も☆1個分上がるというものです。
「朝起きたら頭の中にメロディーがあった」という
エピソードも含めて、ポールマッカートニーという作曲家の
才能を端的に表していると思います。

Dizzy Miss Lizzy

(実質的に)ビートルズのアルバムに収録された最後のカバー曲。
チョーキングの効いたギターリフが印象的。
聴くだけでちょっとテンション上がりますよね。

まとめ

最初に聴くビートルズとしては断然ベスト盤をおすすめしますが、
もしオリジナルアルバムから入るとしたらこれかなという気がします。
「Help!」も「Yesterday」も入ってますし。
その2曲をとっかかりに「へー他にもこんな曲やってるんだー」と
興味を広げていきやすい1枚かと。
ジャイルズマーティンのリミックス盤を心待ちにしています。
「Rubber Soul」の次だとしたらまだ来年か再来年か、
それくらい先の話になりますかねぇ。

それでは、かしまさでしたー。